第94回 アナフィラキシーについて

今回はコロナワクチンでも話題になったアナフィラキシーについて説明させていただきます。アレルギーの原因となる物質(食べ物、ハチ刺創、薬剤)が体に入り、複数の臓器や全身に症状がでることを「アナフィラキシー」と呼びます。その中でも血圧の低下(血圧90未満)や意識レベルの低下、失神など、重症の場合を「アナフィラキシーショック」と呼びます。

アナフィラキシーの症状には蕁麻疹、くしゃみ・咳、嘔気・嘔吐などから始まり、その後改善する場合もありますが、症状が進行すると呼吸困難、意識障害・脈微弱、動悸・冷汗が出現する場合には救急車を要請しつつ、点滴・酸素投与、アドレナリンの注射を行います。ズボンやストッキングの上からでもためらわず大腿の外側に筋肉内注射を行います。エピペンという注射キットがあり、小児で食事でアナフィラキシーを起こしたことのある人は常備しています。アドレナリンなどの処置が適切に行われれなかった場合、最悪の場合があるので侮れない疾患です。

この記事を書いた人

とよた整形外科クリニック 理事長

豊田 耕一郎

山口大学医学部、山口大学大学院卒業後山口大学医学部附属病院、国立浜田医療センター、小野田市立病院、山口大学医学部助教、講師を経て山口県立総合医療センターで脊椎手術、リハビリ部長を兼任後、2012年4月からとよた整形外科クリニックを開院。
専門性を生かした腰痛、肩こりの診断、ブロック治療、理学療法士による運動療法、手術適応の判断を迅速に行うことをモットーとし、骨粗鬆症、エコーによる診断、運動器全般の治療に取り組んでいます。