今回はコロナワクチンでも話題になったアナフィラキシーについて説明させていただきます。アレルギーの原因となる物質(食べ物、ハチ刺創、薬剤)が体に入り、複数の臓器や全身に症状がでることを「アナフィラキシー」と呼びます。その中でも血圧の低下(血圧90未満)や意識レベルの低下、失神など、重症の場合を「アナフィラキシーショック」と呼びます。
アナフィラキシーの症状には蕁麻疹、くしゃみ・咳、嘔気・嘔吐などから始まり、その後改善する場合もありますが、症状が進行すると呼吸困難、意識障害・脈微弱、動悸・冷汗が出現する場合には救急車を要請しつつ、点滴・酸素投与、アドレナリンの注射を行います。ズボンやストッキングの上からでもためらわず大腿の外側に筋肉内注射を行います。エピペンという注射キットがあり、小児で食事でアナフィラキシーを起こしたことのある人は常備しています。アドレナリンなどの処置が適切に行われれなかった場合、最悪の場合があるので侮れない疾患です。