第77回 コロナでのステイホームで気をつけることと効果的な運動は?

ゴールデンウィークはコロナの影響で皆さん、家でステイホームで自粛した方がほとんどだと思います。私もクリニックでの残務以外はほとんど家にいて読書やテレビを見て過ごしました。家にいるとつい寝そべったりくつろいだ姿勢で読書やテレビを見たりすることが多くなりますが、実はくつろいだ姿勢を長時間続けると、案外腰痛や肩こり、頚部痛の原因になることに注意すべきです。座位姿勢において腰椎後弯(腰が丸くなる)と骨盤後継を長時間持続すると椎間板内圧が高まり、腰背筋の緊張と血流障害が生じますし、その姿勢から急に立ち上がったりした際には急性腰痛(ぎっくり腰)にも気をつける必要があります。また頭部の重量は5−6kgですが頚椎が15度屈曲すると、約14kg60度で約30kgの重量として感じますので肩こり、頚部痛の原因になりうることは容易に想像がつくと思います。これを防止するためには1時間に1回は立ち上がって背伸び(腰をそらす)したり、頚を前後に動かして休憩することが有用です。足を組む事も決して腰痛には有効ではなくかえって腰痛を増強する事もあります。横向きで片肘をついた姿勢や仰向けで枕を高くして長時間テレビを見る姿勢も頚部痛、肩こりや腰痛の原因になるので長時間は禁物です。また家にいる時間が長いとどうしても運動不足になりやすいので家の周りを散歩したりする有酸素運動や屋内であればスクワットや片足立ちといったロコモ体操も有効ですのでぜひ実行してください。少し早足で腕を後ろに意識してふって歩くと運動強度は上がります。また決して11万歩を目指す必要はなく、高齢女性では4400歩でも死亡率が低下した、という論文もあるので自分のペースで歩くことが長続きするコツです。コロナに負けずステイホーム生活をエンジョイしましょう!

この記事を書いた人

とよた整形外科クリニック 理事長

豊田 耕一郎

山口大学医学部、山口大学大学院卒業後山口大学医学部附属病院、国立浜田医療センター、小野田市立病院、山口大学医学部助教、講師を経て山口県立総合医療センターで脊椎手術、リハビリ部長を兼任後、2012年4月からとよた整形外科クリニックを開院。
専門性を生かした腰痛、肩こりの診断、ブロック治療、理学療法士による運動療法、手術適応の判断を迅速に行うことをモットーとし、骨粗鬆症、エコーによる診断、運動器全般の治療に取り組んでいます。