第70回 貧乏ゆすりがもたらす効果

貧乏ゆすりは日本では行儀が悪い、とされていますが、海外ではジグリング(1970年ソルター:貧乏ゆすり様運動)と言われ、変形性股関節症の保存的治療として近年注目を集めています。ジグリングとは股関節と膝関節を自分で小刻みに動かす方法で、意識すれば止めることができる自動運動、随意運動に分類されます。やり方は簡単で椅子に浅めに腰掛け、股関節と膝関節を直角に曲げ、足趾の先を床につけて踵を浮かせて上下させ(片脚づつでも両脚でも可)ます。毎日30分以上、できるだけ早く上下させます。ジグリングの他の効果としてふくらはぎの筋肉を動かすことによる血液循環が改善するのでエコノミークラス症候群の予防効果もあります。最近では変形性膝関節症、ロコモーション症候群にも効果があるという報告もあります。その他変形性股関節症に効く体操として座位での膝の開閉運動、立位での骨盤を揺らす運動、腹筋、大腿四頭筋の筋トレなども有効とされますので、毎日テレビを見ながら、読書、食事しながら、少しづつ初めて見てはいかがでしょうか?

この記事を書いた人

とよた整形外科クリニック 理事長

豊田 耕一郎

山口大学医学部、山口大学大学院卒業後山口大学医学部附属病院、国立浜田医療センター、小野田市立病院、山口大学医学部助教、講師を経て山口県立総合医療センターで脊椎手術、リハビリ部長を兼任後、2012年4月からとよた整形外科クリニックを開院。
専門性を生かした腰痛、肩こりの診断、ブロック治療、理学療法士による運動療法、手術適応の判断を迅速に行うことをモットーとし、骨粗鬆症、エコーによる診断、運動器全般の治療に取り組んでいます。