骨粗鬆症治療薬は大きく3つに分類され、骨吸収抑制剤と骨形成促進剤、カルシウム製剤があります。骨吸収抑制剤はビスフォスフォネート製剤、選択的エストロゲン受容体調整薬、カルシトニン製剤、デノスマブ(抗ランクル抗体)、女性ホルモン製剤があり、骨形成促進剤は活性型ビタミンD3製剤、ビタミンK2製剤、テリパラチド製剤があり、特に近年骨吸収抑制剤ではゾレドロン酸(1年に1回の点滴製剤)、デノスマブ(半年に1回の皮下注射)、骨形成促進剤ではテリパラチド(集1回皮下注射と連日投与の自己注射)の登場により骨密度の増加が大いに期待でき、治療の選択肢が広がりましたが、そのぶん治療者側も各製剤の特徴と長所、短所を知って患者さんごとのオーダーメイドの治療が必要になりました。それに加えて今年登場する抗スクレロスチンモノクローナル抗体(一般名ロモソズマブ)を紹介します。ロモソズマブは骨形成促進剤に分類されますが、最大の特徴は骨形成促進作用と骨吸収抑制作用を両方有する初めての薬であり、世界に先駆けて日本で承認されました。1か月に1回皮下注射を行い原則1年間継続します。数千人の参加した国際共同試験の結果でも新規骨折抑制率、骨密度の上昇率も高い結果でした。このように非常に楽しみな薬剤ではありますが、適応については骨密度が非常に低く、脆弱性骨折(軽微な外力で骨折してしまう)の危険性が高いなど、しっかり吟味していく必要がありますが、骨粗鬆症の患者さんにとっては福音になることは間違いありませんので、骨折リスクの高いか骨折を繰り返す重度の骨粗鬆症に対して使用されいくことと思います。
第62回 新しい骨粗鬆症治療薬「ロモソズマブ」
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