院長ブログ – ページ 97

待合室にクリスマスオルゴールが飾ってあります。実は右下のつまみを回すと音と光と音楽が出てメリーゴーランドになるのです!結構子供さんに人気のようです。動画はtoyotaseikeiのインスタにアップしていますのでご参照ください。
院内の待合室や窓にクリスマスの飾りつけがしてあります。その中でも中田さんの理学療法学会での発表にポスターが院内入ってすぐの風除室に展示してありますのでぜひ帰りがけにお時間ある方は見てあげてください。
12/9 大阪でサインバルタの講演しました。座長は岸本整形外科の岸本院長でお世話になりました。講演後質問、ディスカッションの時間も十分あり他の先生方の意見も参考になりました。



12/7 クリニック終了後に山口高校で行われた「山高健康の日」の講義を行いました。1月にも講義を担当しましたが、再度依頼がありお引き受けしました。タイトルは高校生が考えてくれた「ケガは痛いが阻止できる」です。前回話がほとんどだったので居眠りする学生さんもいたので、今回は実技を入れました。生徒にはこちらのほうが好評のようですので、また依頼があれば引き受けたいと思います。



 
ベルサール半蔵門で日本体育協会公認スポーツドクター養成講習会応用編の二回目の二日目です、開始1時間前に到着したら会場はがらがらでしたが300名受講しています。恵泉クリニック太田先生のスポーツ外傷・障害の最新情報ーその他外科的疾患ーの講義がありました。防ぎ得た外傷死についてお話しされ、意識障害に関心が向き、はでな外傷、目立つ損傷、訴えにとらわれないようにすることをまず言われました。外傷には3つのピーク(数秒から数分、数分から数時間、数日から数週)があること、治療はまず救命、機能温存、整容の順に行う、TAFな開緊、血を診るぞ(T:心タンポナーデ、A:気道閉塞、F:フレイルチェスト、開:開放性気胸、緊:緊張性気胸、血:血胸、腹腔内出血、骨盤骨折)という超緊急事態の解説をして頂きました。外傷初期診療ガイドライン(JATEC)、ALS、ABCDEsアプローチ(airway:気道確保、breathing:呼吸, circulation:循環, dysfunction of central nerve system:中枢神経障害,exposure and environmental :脱衣と体温保護)何を聞くか?(GUMBA:原因、訴え、飯、病歴、アレルギー)、外傷死の3兆候として低体温、アシドーシス、凝固異常)、FAST(エコーによる心嚢、胸腔、腹腔内出血検査)など非常に大事な内容を教えて頂きました。熱中症の新分類で1度:めまい、立ちくらみなどの熱失神、筋肉痛、筋肉の硬直など熱痙攣、2度:頭痛、気分不快、嘔気、嘔吐、倦怠感、虚脱感などの熱疲労、3度:意識障害、痙攣、運動障害などの熱射病、高体温があり、2度は入院が必要で3度は集中治療が必要です。スポーツ中の心停止は若年者に多いこと、心停止後の死線期呼吸に惑わされず、心マッサージ、AEDを行うことも教えて頂きました。
HP http://www.disaster-medutainment.jp/
次いで慶應大学スポーツ医学センターの松本教授のスポーツバイオメカニクスという講義がありました。スポーツ医学にはスポーツ外傷障害の治療のみでなく、パフォーマンスの向上、スポーツ栄養、水分、電解質、環境への適応、アンチドーピング、スポーツ心理、スポーツによる健康増進なども含まれます。スポーツバイオニクスとは造語ですがスポーツ動作解析や動作中の負荷を分析してその研究成果をスポーツ外傷障害の予防、シューズやスポーツ用具の開発、パフォーマンスの向上に役立てる学問です。スポーツの運動は体を動かすことですが、バイオニクスの運動は物体が動く様子のことなのでスポーツ動作に伴う動き、力を定量化することです。分解写真などの二次元解析、赤外線マーカーによる三次元解析、有限要素法による解析(FEM)があります。膝外反は二次元で解析すると20度以上になることがありますが三次元解析では10度以下なので三次元解析の方が有用とのことでした 前足部接地では後足部接地より過度の負荷によりシンスプリントの発症リスクが高くなる、テニスのスプリットステップは有意に反応が早くなるという研究も教えて頂きました。バイオニクスの現場でsutiffnessとは伸びにくさでstressは単位面積あたりに加わる力であるそうです。最後に2020年東京オリンピックに向けてパラリンピックへのサポート体制が必要であることを強調されました。
次いで聖マリアンヌ医科大学の別府先生が肘、手関節、手指のスポーツ外傷、障害の最新情報について教えていただきました。スポーツによる手関節痛はテニスは最近オープンスタンスが基本であること、ワイパースイングの影響などもあるそうです。手関節痛は尺骨のフォベアについている三角靱帯が大切で尺骨を中心に橈骨が回内回外するので尺側部の疼痛を生じやすいです。遠位橈骨尺骨靱帯の疼痛は前腕回内回外時のクリックや疼痛が特徴で手を握って回内力比べで痛みが誘発され、フォベアテストなどが陽性となります。尺側手根伸筋腱の亜脱臼や腱鞘炎も鑑別に必要です。尺骨頭圧迫する装具は中間位で装着するそうです
難治性のテニス肘は短橈側手根伸筋の筋付着部症ですが伸筋腱断裂、側副靱帯、輪状靱帯の刺激症状、滑膜ひだなどの原因を除外する必要があります。フリンジインピンジメントテスト陽性の場合は関節内病変の可能性があり、肘外側部痛症候群という概念を提唱されました。野球肘は成長期の小中学生は骨軟骨障害、高校生は靱帯損傷の場合が多く、早期発見であれば保存的治療でよくなりますが、進行期には手術になることが多いことから小学生、中学生に長く野球を続けるための10の提言を出されて、投球数の制限やシーズンオフは投げないようになど指導者に教育をされていますが、実際には守られていない事が多いそうです。テニスは健康に有益か否か?という論文を紹介され、テニスなどのラケットスポーツは他のスポーツより死亡リスクが47パーセント減、スイミング、エアロビクスは27、28パーセント減であったそうです。
午後からは国立スポーツ科学センターの蒲原先生による大会救護と救急医療についての講義がありました。競技会スポーツ現場における救急医療体制について、スポーツ現場での事故の要因の報告、円滑な競技会維持運営、傷害保険への加入についてお話しされました。マスターズ大会参加者の場合は、競技者における自己責任の原則があります。BLS:basic life support 1次救命処置とALS:advanced life supportがあり、BLSは胸骨圧迫、除細動器、AED使用、窒息の解除のことです。東京マラソンに携わっておられてこれまでに心肺停止が7名ありましたが、全例心肺蘇生で救命できたそうで、事前準備と当日の体制作りが重要であることを認識しました。
最後に筑波大学の渡部先生の呼吸器疾患とスポーツについて講演を拝聴しました。気管支喘息、運動誘発性喘息、呼吸器感染症、過換気症候群について主にお話しされました。ロンドン五輪では医務室での内科的疾患の中で急性上気道炎、皮膚疾患、急性胃腸炎、アレルギー性鼻炎の順でした。
運動誘発性喘息とは運動中や運動後に急性気道狭小化をきたす病態で運動誘発性気管支攣縮とも言われ、気道の温度変化や乾燥を引き金に生じます。水泳、長距離選手、自転車、サッカー、アイスホッケー、スケートなどに多いとのことでした、気管支喘息治療薬には第1選択のベーター2作用薬があり、短時間作用型吸入薬と長時間作用型吸入薬があり、ステロイド吸入も含めてアンチドーピング手続きが必要となります。市販の総合感冒薬にはエフェドリンが成分として含まれておりドーピング検査にかかるので注意が必要とのことでした。
ベルサール半蔵門で日本体育協会公認スポーツドクター養成講習会応用編の二回目があり参加しました。筋力トレーニングの理論と実際について東京大学院の石井直方先生の講義がありました。筋力トレーニングの主目的は筋力増強と筋肥大であり、負荷強度や挙上動作によって筋持久力や筋パワーを高めることも可能ですし、傷害の予防やコンディショニングとしても有用です。筋トレの対象は子供から高齢者まで広がっています。
筋トレでは最初に遅筋線維が使われ力の増加とともに速筋線維が使われ、肥大するのは速筋線維です。筋トレにはマッスルメモリーという記憶があることもわかってきたそうです。
加圧トレーニングで筋血流制限により筋内低酸素化を生じることで成長因子を発現することで20パーセント1RMの強度で筋肥大筋力増加が生じますが、細いベルトで血管を圧迫することのリスクを伴うので、スロートレーニングを推奨されました。スロトレは最大筋力の30ー40パーセントで筋血流の抑制が起こり局所の加圧ではないので高齢者にも安全な方法です。
次いで肩関節のスポーツ外傷、障害について日産玉川病院の望月先生の講演がありました。肩関節外傷では肩鎖関節脱臼、肩関節脱臼の順に多いですが、肩関節脱臼は復帰までに時間がかかります。肩関節が脱臼すると前方のバンカート病変の損傷と骨が陥凹するヒルサックス病変が生じます。10ー20代での脱臼は再発しやすく、再脱臼率が55パーセントという報告があります。ラグビーのタックルでは約2000ニュートンの力がかかります。ラグビー選手ではタックルした時の痛みと不安定感がある場合にはCTで骨折がある場合があるので注意が必要です。肩関節脱臼の手術にはバンカート法に腱板疎部縫合、レンプリサージ法か烏口突起移行法(ブリストウ、ラタルジェ)に組み合わせる手技が多いです。ラグビー選手でバンカート法と腱板疎部縫合を行われた結果、3年で11パーセントに再脱臼があり、最近ではバンカート法にラタルジェ法を組み合わせて使用されているそうです。投球障害肩は肩関節の求心位が乱れるとインピンジメント症候群になりますが外転での痛みはほぼないそうで、最大外転外旋位で痛みを生じます。治療として胸郭のしなりと肩甲骨の可動性を上げるリハビリになります。こちらが機能しないと肘内側に負担がかかるようになります。肩甲帯機能障害のチェックとしてCAT陽性、HFT陽性(小円筋、棘下筋)をチェックします。
野球肩で保存的治療で復帰できたのが30パーセントで手術は数パーセントしかないとのことで肩肘に負担の少ないフォームの獲得をリハビリで指導することが重要とのことです。
次いで循環器疾患とスポーツについて聖マリアンナ大学の武者先生の講義を拝聴しました。心疾患を有する患者のスポーツの許容はスポーツ種目の運動強度を確認し、許容範囲判定にはスポーツに応じたメディカルチェックが必須です。動的、静的運動強度の共に低いレクレーションでのゴルフ、ボーリングなどは制限は少ないそうです。高血圧症のスポーツ可否条件として安静時160mmHg以上では高強度静的スポーツを避ける、スポーツ心臓を超えた左室肥大は血圧コントロールがつくまで競技を許可しないなどがあります。動脈硬化性冠動脈疾患では冠動脈疾患リスク評価を行い、軽度リスク群では軽度動的、中等度静的運動で競争しない場合には許可する、高度リスク群では低強度のスポーツに制限する、心筋梗塞、冠動脈再建術後は完全回復まで運動は禁止するそうです。肥大型心筋症は競技スポーツは避けるが趣味的スポーツは許可しますが拡張型心筋症では診断が確定したら競技スポーツは禁忌とのことでした。大動脈弁閉鎖不全は無症状の高齢者スポーツ愛好家の中にいる可能性があるにで注意が必要です。ペースメーカ挿入後はコンタクトスポーツは避ける、心室頻拍、先天性QT延長症候群、ブルガダ症候群は静的運動のみとなります。
国立スポーツセンターの奥脇先生の競技と安全対策の講義を受けました。競技種目、部位、年代、性などを考慮して起こりうるスポーツ外傷・障害を理解するとともに安全対策を立て実行することがポイント(想定、準備、実行)だそうです。。格闘技系、球技系、持久系の分類、スポーツ動作別では走る、投げる、打つ、泳ぐ、蹴る、跳ぶ、殴る、接触するなどを問診することが大事である。
脳震盪の評価はSCAT5があり、シーズン開始前にチェックして慢性硬膜下血腫に移行しないようにすることが重要です。閉眼で片脚立ちが20秒以下の場合には陽性であれば、最低二週は安静(リカバリー)後有酸素運動から開始して徐々に運動強度を上げ、コンタクトプレーはノンコンタクトトレーニングをしてからフルコンタクトに移行するそうです。又スクラムの組み方もクラウチ、バインド、セットの3段階にすると頭部にかかる衝撃を25パーセント軽減できるそうです。頚椎損傷、頸髄損傷の予防として水泳での入水角の制限やアメフトやラグビーでの頚椎X線側面像を撮影して脊柱管狭窄をチェックすることもされているそうです。学校スポーツでの頭頚部外傷の対策として起こりうる外傷を想定して対策をとるようにとのことでした。
テニスでは利き手の肩と反対側の股関節の可動域が狭くなると腰椎に負担がかかり腰椎疲労骨折が生じやすくなります。腰椎の可動域は回旋はできない(腰は捻れない)ので疲労骨折が生じやすい原因の一つになります。
又国際サッカー連盟ではFIFA11+という予防プログラムがあることも紹介されました。
11/31はクリニック終了後に上田塾で最後の締めくくりとしてスタッフが4班に分かれて発表会を行いました。
それぞれが院内での取り組みについてプレゼンしてくれました。最優秀賞を決めましたがどのチームもそれぞれいいところがありは難航しました。是非実現してほしいとともに、成長したスタッフを見て頼もしく感じました。皆さんお疲れ様でした。




 
第五回九州沖縄山口骨OLS研究会ウェブリセミナーがあり最初の座長をしました。山口県立総合医療センターの理学療法士の山田先生が当院における骨粗鬆症リエゾンサービスの取り組みについて発表されました。
ついで特別講演があり、九州大学歯学研究院の柏崎教授が薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)の動向と対策について講演されました。2003年にビスフォスフォネート関連顎骨関連壊死(BRONJ)と言われていましたが最近は薬剤関連顎骨(MRONJ)と言われています。主として抜歯の後に2ー4週で上皮化して治癒しますがMRONJは骨露出があり難治性で進行性の壊死が生じるものをいいます。歯周病を放置しても生じることがあります。進行すると皮膚瘻孔を作ったりQOLを障害します。何故顎骨に発生するかはビスフォスフォネートが骨に付着して破骨細胞の機能を障害するといわれています。感染経路は歯周ポケットや根尖などがあり、stages0ー3に分類されます。高圧酸素療法を併用することもある有効だそうです。発生率は癌の骨転移抑制薬剤による場合は1パーセント、経口薬では0、01パーセントですが抜歯をすると100倍になるそうです。予防としては関連薬剤前に歯科受診することであります。ビスフォスフォネート投与前に歯科紹介した場合発生率がゼロになったという報告もあります。休薬についてはMRONJ投与前予防的にするか、発生後の休薬などについても投与後4年以上で歯科と話し合い骨折リスクが高くなければ継続するとされています。発生後の休薬も数ヶ月と言われていますが休薬期間についてはエビデンスがなく、意見が別れるところです。デノスマブでもプラリアでの発生率は0、04パーセントと低いそうですが、中止すると腐骨が分離して治癒にいたるそうです、骨代謝マーカーでCTX増加で顎骨リスク増加するそうです。自己血を使用する工夫も予防になることも聞きました。一時修復の工夫や抜歯前に抗生剤を使用することも聴くことができました。歯科側から欲しい情報としては既往歴、投薬種類、投与期間などは必ず教えて欲しいそうです。
九州大学歯学研究院の 先生の骨吸収抑薬関連顎骨壊死に関する非侵襲的治療という講演を聴きました。CTで骨硬化部の範囲を確認して顎骨壊死周囲の歯肉切除し、露出壊死骨の削除を行い、局所洗浄、うがいをすること腐骨分離を促し、腐骨除去を行う方法を提示され、80パーセント以上の治癒率が得られたそうです。経口ビス薬では一年で67パーセントが治癒したそうですが静注剤は治癒率が低下するそうです。グルコン酸クロルヘキシジンで洗浄も有用だそうです。