院長ブログ – ページ 95

日本体育協会公認スポーツドクター養成講習会応用科目3の二日目です。日本福祉大学の小林先生のアスレチックリハビリテーションを拝聴しました。通常のリハビリが日常生活への復帰を目標にしますがアスレチックリハビリテーションにおける到達目標は競技の禁止の判断と元の競技に完全復帰することです。外傷発生要因や主訴と動作の関係(スポーツ動作と位相特に動的アライメント)が重要で、下肢の外傷障害に関係するニーイン(片足スクワット、ジャンプ後着地時のニーイン)、動的アライメント、肩肘外傷障害に関係する肘さがりの投球、全身的な運動連鎖などチェックすることを教えて頂きました。アスレチックリハビリテーションで用いるのは物理療法、徒手療法、補装具療法、運動療法があります。スポーツ復帰にあたり競技種目特性を理解して、再発予防するリスクマネジメントも重要です。action →semi-reaction →reaction、リカバリー(疲労回復)についても教えて頂きました。
次いで神戸大学の黒田先生のスポーツ外傷障害の最新情報4 膝を拝聴しました。半月板損傷の診断には関節の腫れと関節裂隙の圧痛が特徴で徒手検査は感度が低いそうです。疑えばMRIを撮影しますが画像も100パーセントではないです。半月板切除後の復帰は最速で2カ月から半年かかることがあるという説明が必要です。外側半月板部分切除後に早期復帰させると軟骨が剥がれて水腫が続くことを注意されました。半月板切除後の変形性膝関節症になる可能性があるので半月板縫合術が望ましいが復帰に半年かかり、再手術率が切除術の5-10倍あり相談して決定する必要があります。離断性骨軟骨炎は成長期は成長期は保存的治療が第一選択ですが外側円板状半月板に合併することがありますが、円板状半月板部分切除術後に離断性骨軟骨炎が続発することもあるので注意して定期的観察する必要があるそうです。離断性骨軟骨炎の治療はドリリングによる骨髄刺激、モザイク処理プラスティー(骨軟骨柱移植)、ジャック(自家培養軟骨細胞移植)がありますが術後2年では成績に差がないそうですがスポーツ復帰率はモザイク93パーセント、ジャックは82パーセントでスポーツ復帰はモザイクが半年、ジャックが一年かかるので患者とよく相談する必要があります。膝蓋骨亜脱臼は10代女性に多く、Jサイン、MRIで骨挫傷の所見がありCTで関節内骨折などを確認します。初回脱臼の94-100パーセントで内側膝蓋大腿靭帯の損傷で骨軟骨損傷が34パーセントあるそうです。PCL(後十字靭帯)損傷は単独損傷では保存的が第一選択になりますが複合損傷の場合には手術(再建術)になります。ACL(前十字靭帯)損傷は外傷性関節血腫の60-70パーセントに合併し、ピボットシフトテスト陽性になります。手術して復帰率は82パーセントありますが以前と同じレベルまでの復帰は50パーセント未満だそうですので厳密な復帰プログラムが重要です。保存的では早期に変形性膝関節症になることが多くピボットシフトテスト陽性が20パーセントあるそうです。
順天堂大学の桜庭先生のスポーツ外傷障害の最新情報5 スポーツ選手の疲労骨折を拝聴しました。疲労骨折は女子長距離ランナーに多く発症しエネルギー摂取不足、無月経、骨粗鬆症に伴って生じる(女性アスリートの3徴)ことが多いです。実業団女子長距離ランナーの33パーセントに無月経があります。骨吸収、骨形成マーカーが高く高回転型の骨粗鬆症を呈している可能性があります。早期診断には骨シンチ、MRIが有用です。
午後から国際武道大学の山本先生のテーピング、ブレースを拝聴しました。山本先生はアスレチックトレーナーマスターだそうです。テーピング、プレースは応急処置や再発予防、外傷の予防に使用し、あくまでも補助用具で長所短所を理解して使用する必要があります。可動域を制限して痛みを軽減し、機能をサポートして不安を軽減する効果があります。テーピングは神経血行障害に注意する必要があります。運動の30-60分前に運動後30分以内に外し、試合の都度巻き直す必要があります。足関節内反捻挫後のテーピングは足関節の背屈底屈を制限せずに回内回外を制限する機能的なテーピングが必要です。ファンクショナルテーピングも紹介されました。
テーピングは伸縮性と非伸縮性があります。非伸縮性テープは13,19,20,25,38,50mmがあり、伸縮性テーピングは25,50,75mmがあります。アンカーが剥がれないようにビニルテープ、ロイコテープなどがあります。非伸縮性テーピングをアンカーのみ巻き他を伸縮性テープで巻くと背屈底屈を制限せずに内外反を制限できるそうです。他にもカバーロール、自着性バンデージなども紹介されました。
最後に帝京大学の山口先生のスポーツとアレルギー疾患を拝聴しました。サーファーがクラゲに刺されて感作されると納豆のネバネバで喘息、アナフィラキシーが誘発されるそうで興味深かったです。運動誘発喘息は小児喘息が半数以上で運動中の過換気で浸透圧の上昇で気道が収縮し、気道が再加温されて気道が閉塞することが原因です。日本ではアスリートの喘息有病率は15パーセントと言われています。(成人で5.4パーセント)予防としては運動30分前に気管支拡張薬の吸入と心肺機能の強化が必要です。ドーピングにかからないように吸入ステロイド薬、ベーター2刺激薬は申請が必要とのことでした。スポーツ用具、ウェアの素材や化学物質、テーピング、外用薬による接触性皮膚炎もあり、発汗と日光が原因物質の抗原性を高め重症例にはステロイド経口も投与されるそうです。食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIAn)という疾患があり、エビカニ、コムギ、ソバ、大豆、ブドウ、リンゴ、ピーナッツなど果物、タマゴアレルギーが運動でアナフィラキシーが誘発されて鎮痛剤や月経、身体精神的ストレスが増悪因子になるそうです。コムギと魚を食べて実はアニサキスが原因のことが多いことは初めて知り勉強になりました。治療の第1選択がアドレナリン(ボスミン)筋注であり、アナフィラキシーが起こったアスリートはエピペンを常備しておくことが必要だそうです。
2/10,2/11東京で日本体育協会公認スポーツドクター養成講習会応用科目3に参加しました。今回が最後の講習会になります。
最初に国立スポーツ科学センターの松林先生の持久性トレーニングを拝聴しました。
運動時のエネルギー供給にはクレアチニンリン酸からATP産生、糖と脂肪から解糖系酸化系のTCAサイクルを介してのATP産生があります。持久力が高い=エネルギー供給能力が高いといえます。持久性トレーニングの実際はどのような効果を得たいか?どのように身体に負荷をかけるか?どの程度の頻度でトレーニングをするか?を考えて行います。トレーニング強度は作業閾値を上げるエンデュランス、最大酸素摂取量の向上に有効なインターバル、解糖系エネルギー産生能力、緩衝能力の向上に有効なレペティションを上げていきますがリカバリー不足(オーバートレーニング)に注意する必要があります。環境を刺激として用いられる高地トレーニングは順化に数日必要であり、鉄分摂取、脱水対策、睡眠障害、トレーニング許容量の低下に注意する必要があります。高地トレーニングの標高は188-2500mが望ましく、スピード練習は1500-1600mで行い、3-6週を目安にすることが一般的です。
次いで国立スポーツ科学センター(JISS)の石毛先生のアスリートの体力評価を拝聴しました。スポーツ振興センターの中にJISSがあり、西が丘地区にあり日本のスポーツを強くすることを目標(オリンピック、パラリンピックでメダルを取る)にスポーツ選手のサポートと研究を行っているそうです。体力の3次元展開として筋力、持久力、スピードの3つがあります。
体力測定には身長、体重、BLS(ボディライセンススキャナー),BODPOD(空気置換法による体脂肪率)などの形態計測と有酸素性、乳酸性、非乳酸性パワー測定、筋力測定、跳躍力測定などの機能測定があります。
慶応義塾大学の勝川先生の腎肝消化器疾患とスポーツを拝聴しました。消化管疾患、肝疾患における運動のエビデンスは少ないので運動の可否判定は医学的常識とガイドラインを参考に行うそうです。消化管症状の予防には運動前の食事のコントロールが有効です。肝炎、肝硬変は中強度の運動は肝機能に影響しないそうです。CKDなど腎障害ではメディカルチェックをしながら運動を処方する必要があるそうです。運動中の鋭い一過性の肋骨下端の側胸部痛(脇腹痛)があり、英語でside stitchといいますが、医学用語ではETAP exercise-related transient abdominal painという病名になります。ランニング、水泳の経験の浅い選手に多いそうです。原因として横隔膜の虚血、横隔膜と腹部臓器を結ぶ靭帯のストレス、腹膜の壁側、臓側の腹部の摩擦による刺激症状など言われていますが解明はされていません。対処法としては運動レベルを落とす、腹壁を緊張させる、機能性残気量の多い状態で呼吸するなどがあります。予防としては運動直前の飲食を避け、運動中の水分補給をこまめにする、幅広のサポートベルトの着用などがあるそうです。スポーツドリンクも糖が高いと胃から小腸への移行が遅くなり水分補給に不利になるそうで、推奨されているのはポカリスェット、ゲータレード、アクエリアス、ナチュライといったドリンクです。ランナー下痢という運動により腸蠕動が増加して下痢する疾患もあり、過量のスポーツドリンクの摂取を避けることが予防だそうです。心疾患患者の運動許容はエビデンスがないのが現状であり、運動許容の診断書は現時点での判断になるとのことでした。2014アメリカスポーツ医学会の運動ガイドラインではPAR-Q+という7項目の質問をして医師に相談する必要があると紹介されました。
運動誘発の高尿酸血症は高強度の運動で筋肉内にATPの消費が高まると尿酸生成が高まります。日本人は排泄低下型が多いそうです。治療薬で尿酸排泄促進剤のプロベネシドはドーピングの禁止薬物なので注意する必要があるそうです。
東京医科歯科大学の上野先生のスポーツと歯科を拝聴しました。一流選手ほど虫歯の未治療例が多く、2012ロンドン五輪参加選手の虫歯は55パーセント、歯周病は15パーセント、智歯周囲炎(親知らず)は10パーセント、酸蝕症が45パーセントであり、スポーツドリンク頻回摂取の関連が高いそうです。屋外でのスポーツ選手はドライマウス(口腔内乾燥)が多い為とも言われているそうです。
歯周病と生活習慣病と密接な関連があり、歯周病予防には正常体重の維持、良質な食事、良好な運動習慣が重要だそうです。スポーツ歯科外傷はスポーツ外傷の1パーセントで、格闘技系やコンタクトスポーツの10-20代の男性に多いそうです。スポーツ別にはバスケット、野球、サッカー、バレーボールの順でした。抜けた歯の保存は乾燥状態なら30分、生理食塩水でも1-2時間しかもたないので、牛乳に浸しておくと24時間保存がきくそうですができるだけ抜けて1時間以内が生着率がいいそうです。抜けた歯を戻すには歯根が大切であり、根元を絶対に持たないことが重要とのことでした。又噛み合わせと運動機能の関連も重要とのことでスポーツクレンチング障害という疾患も教えて頂きました。
2/1 クリニック終了後、山口中央骨粗鬆症研究会がかめ福であり参加しました。看護師スタッフも5人参加してくれました。沖本クリニックの沖本先生が骨粗鬆症治療は必要か .どうするか.何に気をつけるか?を講演され、多数の方が参加されました。骨粗鬆症は北欧でQOLが低下する上位に入るということでした。日本整形外科学会でも大腿骨近位部骨折をhip attackと呼ぶことを提唱するそうです。呉で大腿骨近位部骨折手術後内科の先生が骨粗鬆症治療をしている事実があり、2015年から内科乳腺外科産婦人科や歯科メディカルスタッフと勉強会をされ医科歯科連携の先駆けでもあります。運動栄養が大事であること、ビタミンK,ビタミンDの重要性も強調されました。運動すると骨強度が上がり骨皮質が太くなるので若い時からジャンプなど運動習慣が重要とのことです。
加齢と共に骨量が減少するのは皮質から減少するそうです。皮質骨に効くのはデノスマブとビスフォスフォネートであること、高齢者でも高代謝回転であること、テリパラチドは脊椎骨折直後から使うことが有用であるそうです。デノスマブはオーバーシュート薬であり、中断すると多発骨折を生じる報告があり注意が必要です。顎骨壊死については医科歯科連携について連携用紙を紹介され歯科のパノラマ撮影で皮質が薄いと骨粗鬆症治療を紹介してくれるそうです。サーム製剤は生理が一年ない場合には比較的若い時期の使用を推奨されました。会終了後座長の田中先生と沖本先生とお話しさせていただき骨粗鬆症に対する先生の熱い情熱がさらにわかり有意義なひと時となりました。


 
1/28下関海峡メッセでフットケアの日2018 in 下関の内容です。
下肢動脈治療への取り組みと下関の現状について下関市民病院循環器内科の辛島先生が講演されました。下関は高齢化が進んでいますが心臓カテーテル治療は最近増加していないそうです。間欠跛行があるときに整形外科を受診する機会が多くその中で閉塞性動脈症が1/4あるそうです。こむら返りが症状の初発であることもあり、60才以上にABI0.9未満が1/4存在することも念頭におく必要があります。ABIの弱点として強い石灰化では正常化することがあります。画像診断では血管エコー,SSP,血管造影,MRangioなどがあります。CLI(重症下肢虚血)をいかに防ぐか?を強調されました。EVT(末梢動脈血管治療)症例数では山口県内一だそうですが早期発見早期治療が重要であり、ABI0.9以下では下肢のみではなく、循環器内科に紹介して心臓も精査した方がよいということコメントもいただきました。
次いでシューズクラトミの河合先生が靴の履き方選び方について講演されました。整形外科でのご経験ではアーチサポートが多かったそうですが、フットケアでは免下、除圧の要素が入ってきます。靴の選び方でまず適切なサイズを選ぶことが重要です。靴のパーツでヒールカウンター,シャンク,トゥボックスがありそれぞれの特徴を紹介されました。底材の特性で合成ゴム,革底, EVA,ポリウレタンがあります。手で持って軽い靴や芯のない柔らいシューズは避けた方がよく適度な重さで履くと軽い靴がいい靴だそうです。爪先が1cm余裕があること,紐やベルトがあるもの,踵が抜けないこと,横アーチがあっていることなどポイントを教えていただきましたら。
特別講演で西田先生に「みてみよう、やってみようフットケア」の講演がありました。2/10はフットケアの日ですとの紹介から始まりました。なぜ医療や介護でフットケアが必要か?ということをわかりやすく説明していただきました。高齢者の転倒の原因として足把持力低下が関与しており巻き爪や陥入爪の関与が大きいとのことでした。予防的フットケアでは見た目のきれいさ、みえない病変の早期発見も担っています。免疫力低下、血流障害、神経障害、皮膚障害などが関与してきます。足のアセスメントとして皮膚、爪、形、血流障害、神経障害などを見ていく必要があります。べんち(たこ)、鶏眼(うおのめ)、巻爪、陥入爪のケアのポイントなども教えていただきました。今履いている靴の観察のチェックポイントを教えていただきました。フットケア初心者は保清、保湿、保護の3つのことから始まるとのことでした。西田先生の実技のデモンストレーションがありべんちのコーンカッター、キュレットでの削り方や爪のスクェアオフの切り方、グラインダーでの削り方がよく分かりました。
1/28 下関市でフットケアの日のイベントがあり参加しました。2/10がフットにちなんだ日ですが一足早く開催されました。前田病院の石原さんを中心として企画運営をされたスタッフの皆さんには頭が下がりますが盛況な会でなによりでした。当院看護師スタッフも3人参加してくれました。林部長はミニレクチャーも担当しており活躍してくれました。
先日山口高校での山高健康の日の生徒さんたちの感想をまとめた冊子を届けて頂きました。似顔絵や講義した評価もしてあり、おおむね良好だったのでほっとしました。お呼びがあれば来年も頑張ります!


1/3にクリニック周辺で虹が出ていた写真を撮像された患者さんが持ってきていただきました。素敵な写真でしたのでお礼とHPに乗せる許可をいただきましたので掲載します。

 
1/21はサインバルタナショナルミーティング2018に参加しました。愛知医科大学西原先生が痛みを精神科の視点から再考する
痛みを脳反応から考えてみること、慢性疼痛患者はQOL,ADLが低下しており、休職などの経済損失は3億ドルとも言われています。
器質的要因があっても情動的要因も関与している。運動器慢性疼痛患者で身体症状うつ病など精神疾患に患者の抱えている情動的問題の関与も考慮する、心因性疼痛という表現は使用しないほうがよく、脳機能障害と心理的要因を分ける必要があるとのことでした。
慢性疼痛治療の満足度が低い患者は抑うつ傾向が有意に高い、急性、亜急性期は鎮痛をしっかり行う、禁忌として高度の肝障害腎障害コントロール不良の閉塞性隅角緑内障があることも教えて頂きました。
次いで上石クリニックの上石先生が慢性腰痛におけるデュロキセチンの位置付けについてを拝聴しました。末梢刺激が脊髄後角から脳に伝達され下降性疼痛抑制系が疼痛を抑制しますが慢性疼痛は中枢感作が起こっている状態であること、オピオイドは手術麻酔、緩和ケア、慢性疼痛治療に分けて使用するが、長期使用の問題点を強調されました。
また足底の違和感に対してサインバルタは半数以上は有効とのことでした。
腰痛メインの場合にはデュロキセチンを使用し、下肢痛メインの場合にはリリカを主として使用するそうです。
最後に浜松医科大学の星野先生が疼痛メカニズムを考慮した変形性膝関節症の保存療法について-デュロキセチンレスポンダーの特徴-について講演されました。
軟骨には侵害受容器はなく、膝の変形と痛みは必ずしも相関しないこと、末梢刺激で痛みが持続すると痛みが増幅することを中枢感作といいます。サインバルタの治療成績で85例 13例が副作用で脱落し、サインバルタ投与でヒアルロン酸関節内注射を33パーセント中止できたそうです。中枢感作スクリーニングツール日本語版(カットオフ値30)での検討で中枢感作が高い方が有意に改善していたそうです。手術希望せず鎮痛剤、関節注射が長期になる場合にはサインバルタの適応があるとのことでした。
サインバルタは痛みを感じにくくして日常生活を改善する薬ですという説明をされるそうで、NSIDSからの脱却、コアトリートメントとして
患者教育、運動療法 減量(BMI30以上では5パーセント減量で有効と言われてるそうです。)薬物療法、ヒアルロン酸関節内注射を紹介されました。
しっかり吸収して明日の診療に役立てたいと思います!

 
1/20 クリニック終了後に東京に行き慢性腰痛ドゥロキセチンスピーカーズエクスパートカンファレンス2018に参加しました。山口大学整形外科寒竹准教授のご講演では慢性腰痛でNSAIDs効果不十分な例、下肢痛伴う腰痛、プレガバリンが無効な例にドゥロキセチンを使用することを推奨されました。次いで慢性腰痛滑川病院院長 南里先生のご講演があり、非がん性疼痛では鎮痛とADLの改善を治療目標に設定して、薬物療法、運動療法を行うこと、内因性疼痛抑制系は40才以上では減弱しており、内因性疼痛メカニズムが機能していないことをお話しされ、ドゥロキセチン自験例として慢性腰痛症57例で中止8例であったこと、RDQが改善しており、ADL改善が認められました。中枢感作がある人はあちこち痛いことも教えて頂き参考になりました。山口大学整形外科鈴木助教も来られていましたので山口大学整形外科のお二人からペインセンターの話など貴重なお話を聞かせて頂きました。

 
1/17 クリニック終了後に山口済生会整形外科症例検討会に参加しました。
整形外科の大中先生のミニレクチャーがあり感染性脊椎疾患の治療経験を拝聴しました。化膿性脊椎炎、椎間板炎、化膿性椎間関節炎など53例あり、1例非結核性抗酸菌感染があり平均年齢70才でした。起炎菌同定率は35パーセントとのことで抗生剤を投与する前に紹介されたほうが起炎菌同定率が上がるとのことでした。(当院ではいつも抗生剤使用せず紹介しています)。体温が高くない症例もあることも念頭におくこと、心エコーで感染性心内膜炎を調べるそうです。治療は培養を最初に行いますが広域な抗生剤を使用するそうです。手術は少なく保存的にほとんどが対処可能でした。