院長ブログ – ページ 59

1/16の山口県臨床整形外科医会の研修会の続きです。 次いで松野リウマチ整形外科の松野先生の「整形外科外来における関節リウマチの診断と治療」を拝聴しました。関節リウマチの治療の歴史から始まり坑リウマチ薬、MTX、バイオ製剤、最近注目されているJAK阻害剤に至りリウマチ治療は臨床的寛解から構造的、機能的寛解(骨破壊改善)を目指せるとのことでした。リウマチの診断基準はACR/EULARの基準が標準で早期診断、早期治療を行うとのことでした。血液検査で早期診断にはリウマトイド因子より抗CCP抗体が有用とのことでした。リウマトイド因子は高齢者は10-25%陽性、抗CCP抗体は結核の30%に陽性であることに注意が必要とのことでした。又MMP-3は発症一年以内から上昇し関節破壊を反映するので感染との鑑別にも有用ですがステロイド使用すると上昇するとのことでした。関節リウマチの鑑別診断としてウィルス感染に伴う関節炎(パルポウィルス)、乾癬性関節炎、リウマチ性多発筋痛症などが頻度が高いとのことでした。抗核抗体は染色パターンで疾患特異抗体の種類を限定できるそうです。注意すべきは全身性エリテマトーデス・MCTDのジャクー変形(関節破壊がない脱臼)、全身性硬化症(強皮症)の末節骨の骨吸収(acroosteolysis),混合性結合織病(MCTD)の抗UI-RNP抗体陽性,RS3PE症候群、サルコイドーシス、リウマチ性多発筋痛症の特徴も解説して頂きました。又関節エコーでのパワードップラーの変化も早期診断に有用とのことでした。
1/16山口グランドホテルで山口県臨床整形外科研究会がありオンラインでの講演を拝聴しました。16号整形外科の山田朱織先生の「難治性肩こり、頚部痛に対する枕治療についてー世界で認知されていない新たな治療法ー」を拝聴しました。山田先生は日本で唯一の枕外来をされている先生で、山田朱織枕はDrs.Fitness K STUDIOでも枕計測を行なっています。先生がお父様の時代から引き継いで来られ枕研究の第一人者という位置を築いてこられました。枕治療の歴史については1949年Jacksonの研究から始まりましたが十分なエビデンスがないという現状です。山田先生は枕の至適高や夜間の睡眠姿勢も研究されてきました。枕の三大条件は枕の至適高さ、頚椎の至適角度、寝返りのスムーズさとのことです。側臥位では頸椎と胸椎のアライメントが一直線であることが理想的ですが仰臥位では頚椎はストレートになることが理想的とのことでした。仰臥位MRIでの検討も頚椎の指摘角度は18度が理想的とのデータを示されました。肩こり、身体化症状の患者さんに枕治療が痛み、頭痛、不眠なども改善したことを報告されました。又睡眠時無呼吸症候群の対する枕治療の効果も報告されました。最後にリアルタイムでの玄関マット枕の調整の指導を中継で実施された実技も勉強になりました。

クリニック処置室が定期的な換気の為に寒いことで患者さんにはご迷惑をおかけしていましたがこの度エアコンを設置しました。今話題の外気を取り入れるタイプのエアコンですのでコロナ対策にもひと役かってくれると思います。

12月からDrs.Fitness K STUDIOで始めたダイエットトレーニングを開始して1ヶ月がたち計測を行いました。結果は体重が-2.5kg,腹囲がなんと-8cmという嬉しい結果でした。このダイエットトレーニングを決心したのはコロナ自粛を理由にカロリーオーバーであり、運動もあまりできていないためもですが、久しぶりにスーツのパンツを着ようとしたらウエストがキツくて履けなかった悔しい経験から決心しました。毎日体組成計に乗って計測記録を始めて1ヶ月で効果があったことに素直に喜ぶと共に一層努力したいと思います。

 

次いで山口大学麻酔科の原田先生が慢性疼痛の薬物療法について講義されました。痛みの伝達路と薬剤がどこに効くか(どこに作用するか)、侵害受容性疼痛にはNSADS,アセトアミノフェン、神経障害性疼痛にはプレガバリン、デュロキセチンが推奨されるとのことでした。慢性疼痛の場合は疼痛をゼロにすることではなく、ADL,QOLの改善を目標にすることを患者さんにも説明しておくこと、痛みの原因によって薬物を使い分け、副作用に気をつけて過度のきたいを持たせないことなど最後に強調されました。最後に山口大学精神科の樋口先生の「痛みの心理療法を知ろう」という講義がありました。侵害受容を認知すると痛みの知覚を感じ、心理社会的因子が加わり苦悩を感じ、周囲への反応により痛み行動が生じるとされます。組織障害が生じて痛みが生じても不安や恐怖がなければ軽快・回復しますが、痛みの破局的思考や不安・恐怖が強いと痛みの悪循環が生じ、慢性化するとされます。精神心理的介入の目指すところは心の苦悩を減らすことで身体の苦痛を減らすことであり痛みを自己コントロールすることの手助けをすることです。医療者側と患者さんとの痛み治療の認識の溝を埋めるためにコミュニケーションスキルが重要とのことです。対話の準備として質問により何に困って来たか?良好な信頼関係づくりをして患者主体の治療を行うことを解説されました。信頼関係のコツとして①傾聴、共感、認証②患者家族の痛みの苦悩をねぎらう③痛みのメカニズムについて患者さんへの説明、診断する④良くなった患者さんの話、治り方、今後のビジョンを伝えることであるとのことでした。認知行動療法の目標として痛みに固執せずセルフコントロールできることを患者さんに理解してもらい、痛みの悪循環の中の認知、行動の部分を介入すること、自己治療(セルフマネジメント)を目指すことを医療者、患者が共同で行います。治療はマラソンに例えて走るのは患者さんで医療者はコーチで家族は心から応援するというスタンスで望むことだそうです。お勧めの本は笠原先生の「しつこい痛みは日記で治る」名越先生の「精神科医が慢性疼痛を診ると」だそうです。最後に症例検討をグループディスカッションして終了しました。

1/10()日本いたみ財団主催の第二回中国ブロック慢性疼痛診療研修会にオンラインで参加しました。山口大学整形外科鈴木先生から慢性疼痛のICD11の新しい分類を紹介され、整形外科的な疾患として慢性一次性、二次性筋性骨格痛、慢性術後疼痛・外傷後、疼痛、慢性(中枢性・末梢性)神経障害性疼痛、複合性局所疼痛症候群(CRPS)に細分化されることを解説していただきました。又慢性疼痛を生じる整形外科的な代表疾患(変形性膝・股関節症、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折など診断、治療についても教えて頂きました。次いで山口大学の田原先生の痛みの多面的評価についての講義がありました。痛みの性状をメタファー(刺すようななど比喩表現)、オノマトペ(ズキズキ、ジンジンなどの表現)で評価する方法、痛みの定量評価でstatic QST(PPT圧痛閾値)、dynamicQST(反復侵害刺激で痛み増強しwind up現象が起こる)、PCS(痛みの破局化スケール)HADS(不安抑うつ評価)、疼痛特異的評価法(PDAS,PBI,SF36,RDQ,EQ-5D),身体機能評価・パフォーマンステスト(ファンクショナルリーチ、TUG)など教えて頂きました。女性の方が痛みの閾値が低く、上行性伝導路が伝わり易く下降性抑制が弱いとのことでした。

1/9も雪が少し残っていましたがスタッフが朝から雪かきをしてくれました。まだまだ寒い日が続きますが転倒による骨折、捻挫も増えていますのでご注意下さい。 

1/8予想通り山口市では積雪がありました。私も早めに家を出ましたが少し渋滞して8:00過ぎにはクリニックに到着しましたが既に早めにスタッフが来てくれて雪かきをしてくれていました。出てくれたスタッフには感謝感謝です。

1/6夜雪が降りましたが1/7はそれほど積もっていませんでしたが積雪情報がありましたので1/8は結構積もることを考えて塩化ナトリウムを急遽買い出しに行き夕方事務長と散布しました。1/8は積雪が予想されるので受診される場合には気をつけてお越し下さい。

1/6通常診療開始しました。当院では正月明けに2回目のスタッフ全員の唾液PCR検査を行い全員の陰性を確認しました。患者さんに安心して受診して頂くよう、感染対策も注意して行っていますので本年もよろしくお願いいたします。