院長ブログ – ページ 4

 7/12 19:30-維新ホールで小川仁志の哲学カフェがありテーマが「痛みとは?」ということで大変興味深く参加しました。アカデミーハウスの方が企画されているとのことでした。会議室に行くと老若男女30名ぐらいの参加者で新南陽整形外科の花岡院長先生が毎回参加されているとのことでした。小川仁志先生が痛みについて皆に質問してそれについて自分の考えを述べる形式でしたが小川先生も非常によく勉強されており参加者も常連の方が多いのか?積極的に意見を述べておられました。

いたみの存在意義、心の痛みと身体の痛み、痛みの共感が痛みを和らげる、慢性痛は痛みの記憶が関係する、自分を許す、自分と和解すると痛みが和らぐ、無痛文明という哲学者の言葉をしょうかいされ、痛みをとることで感じないことで失っているものもあるなど印象に残りました。

普段から痛みのある患者さんと接している医療者として痛みの認識、治療に関するヒントがありました。

第2回痛覚変調性疼痛研究会をウェブで拝聴しました。痛みの分類として侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、心因性疼痛に分類されていましたが第3の痛みとして痛覚変調性疼痛の理解を深めて研究成果を報告されました。この中で痛覚変調性疼痛は心因性疼痛に置き換わるものではなく、メカニズムとしての定義であることを強調されていました。原因がなく生じる痛みはトップダウン型、侵害受容性疼痛の感作などによって生じるボトムアップ型があり、時間の要素が加わることも勉強になりました。まだまだこの分野の研究が進むと理解も深まると思いました。

6/30ジクトルテープ(経皮吸収型 持続性疼痛治療剤)記念講演会があり参加しました。四方先生のジクトルテープの使い処の講演の後、福島県立医大二階堂先生の腰痛に対する薬物療法の現状と未来、名古屋大学医学部今釜教授の腰痛を含めた運動器のエビデンスの講演を拝聴しました。
二階堂先生の講演から非特異的腰痛の治療は侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、痛覚変調性疼痛を病態生理学的変化を認識して薬物治療する必要があり、腰痛の神経障害性疼痛は20%前後あります。薬物療法は鎮痛効果が得られることは望ましい効果ですが有害事象などは望ましくない効果もあるので益と害を見極めて治療することが必要とのことでした。
今釜先生の講演では脊髄髄内腫瘍や靭帯骨化症の術後疼痛は脊椎外科にとって永遠の課題で近年の低侵襲手術の紹介をされました。慢性疼痛は高齢者は特に老化による廃用性障害とサルコペニアが関与しており、第3の痛みとして痛覚変調性疼痛が注目されています。名古屋大学の八雲町の住民検診の結果で神経障害性疼痛の危険因子として歩行機能不良、腰椎後弯、BMI低下などがあり、痛みが強いと抑うつ、中枢性感作が強いデータをお示し頂きました(一般住民の中枢性感作は5-8%とのことでした)。日本整形外科学会などがフレイルロコモ予防宣言を行い、健康日本21でもロコモフレイル予防が入っています。慢性腰痛に薬物別効果の結果、薬物療法の費用対効果はそれぞれ高いという結果、診療時間と満足度の結果、不良因子として高齢、神経障害性疼痛、罹病期間が長いなどがあるとのことでした。慢性腰痛にNSAIDSとプレガバリンの2剤併用治療は下肢痛と睡眠の効果が高かったことも教えて頂きました。

6/22順天堂スポーツフォーラムをウェブで拝聴しました。順天堂大学整形外科のスポーツドクターの先生方がバスケットボール日本代表やパラリンピックアスリートのメディカルサポートの実際について発表されバスケット選手の足関節捻挫の特徴など専門性の高いお話を拝聴しました。

6/15維新ホールで漢方セミナーがあり参加しました。講師は整形外科医で東京蒲田病院整形外科の冨澤英明先生でした。漢方薬はテリパラチドに似ているという発想は斬新でした。漢方薬は末梢循環を良くして血流障害を改善することが可能とのことでした。運動器に漢方を使用するコツを教えて頂きました。

6/9周南市文化会館で山口県医学会総会が徳山医師会の主催であり来年主催する山口市医師会として大勢で参加しました。受付の様子、会場整理、進行の仕方なども注意しながら見学しました。

山口大学呼吸器学講座の松永和人教授の「感染症とCOPD」

大阪公立大学 山口悦子教授の「医療安全を問い直す 〜医療の質と心理的安全〜」 の2演題があり拝聴しました。

昼飯を挟んで市民講座があり幸田浩子さんのソプラノリサイタルがあり多くの市民が参加され、私たちもその歌声に感動しました。

来年も負けないように山口市である総会の企画運営の準備を進めていこうと皆で決意表明しました。

クリニックの入り口の前に燕が巣を作っていました。ちゃんと燕が入るのを確認しました。癒されますが中に入ってこないように注意が必要です…

山口県立美術館で開催されている「奈良大和路のみほとけ展」に行きました。奈良の法隆寺、東大寺、薬師寺など多くの寺のみほとけ像が一堂に介しておりその迫力に圧倒されました。山口からも寺の再興の時に大木が佐波川から運ばれた巻物もありゆかりがあることも初めて知りました。6/9までですので行かれる方はお忘れなく。