院長ブログ – ページ 3

12月に入りクリスマスも近くなりました。

当院ではクリスマスツリーの飾り付けを行い夕方来る患者さんにはライトアップをして和んでいただけたらと思っています。スタッフが協力して飾り付けてくれました。

院内にはオルゴール付きのクリスマスの飾りもあります。

 

12/2マイナ保険証が本格稼働する日にNHKの情報維新!やまぐちが当院に取材に来ました。

午前中当院での患者さんのインタビューなど行い、昼休みに私へのインタビューがありました。

当日診療終了後にスタッフと一緒にテレビを観て盛り上がりました。

見逃された方のためにNHKのNEWS WEBから動画が見れますので是非ご参照ください。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/yamaguchi/20241202/4060021865.html

イベニティセミナー イン福岡があり参加しました。町田慶泉病院整形外科の上野先生の「OVF治療における骨粗鬆症治療の重要性」を拝聴しました。(新鮮でも陳旧性でも)椎体骨折があれば次の骨折のリスクが3倍になり骨折連鎖の起こる確率が高く骨折数が増えるほど日常生活動作が障害されるので骨密度が正常でも早期骨粗鬆症治療が推奨されています。椎体骨折が2カ所以上、圧潰の高度例では骨形成促進薬が推奨されます。椎体骨折は保存的治療が原則ですが骨癒合せずに強い疼痛、神経障害がある場合手術になるので、新鮮骨折に骨形成促進剤での治療介入が推奨されます。BKP(バルーン椎体形成術)は低侵襲治療ですが続発性骨折発生が高くなりこちらも骨形成促進剤のテリパラチドが続発性骨折頻度を低下できます。先生の臨床研究の結果でBKP後の骨折発生率はテリパラチド、ロモソズマブともビスフォスフオネート製剤より有意に低下し遠隔椎体骨折の発生率を減らし、ロモソズマブは椎体、大腿骨近位部の骨密度増加率が高く、特に遠隔椎体骨折発生率を防止効果が高い結果よりBKP術後の骨形成促進剤の中でもロモソズマブが理想的であるとのことでした。(一年以内の心血管イベントには注意する必要があります)先生は新鮮椎体骨折の場合は前治療ない場合は椎体骨密度が70%以上の場合はテリパラチド、70%未満はロモソズマブ、前治療がある場合はロモソズマブでの治療をされるとのことで今後の参考になりました。

次いでそうえん整形外科の宗園先生の「脆弱性骨折予防の観点に基づく最新の骨粗鬆症薬物療法」を拝聴しました。橈骨遠位端骨折は50代、椎体骨折は60代後半、大腿骨近位部骨折は70代後半から急激に増加します。5年生存率は脊椎骨折、大腿骨近位部骨折後近年低下していますが椎体骨折は最初の骨折後治療介入が重要です。薬物療法でエビデンスが高いのはSERM,リセドロネート、アレンドロネート、テリパラチドですが、非椎体骨折ではテリパラチド、デノスマブ、ロモソズマブになります。ロモソズマブは一年以内の心血管イベントでは注意する必要がありますが最近のデータではテリパラチドよりむしろ少ないという結果を教えて頂きました。骨粗鬆症治療効果の判定には骨代謝マーカーを測定をしますが骨質を計るマーカーは現在ないので骨密度(腰椎よりも大腿骨近位部の方を推奨)で判断するとのことでした。ゴール達成に向けた治療目標としてTスコア-2.5以下は3-5年以内に50%以上増加すると骨折後治療開始はできるだけ早期に開始することが望ましいですが途中で休薬できるのはビスフォスフオネート製剤のみで他の薬剤は原則他の薬剤(ビスフォスフオネート)で継続することが望ましいとのことでした。

最後にパネルディスカッションで「Goal Directed Treatmentを目指した骨粗鬆症治療」について討論がありました。

11/9 山口県医師会館で令和6年度JMATやまぐち災害医療研修会があり参加しました。令和6年度能登半島地震JMATやまぐち派遣の報告を三田尻病院豊田院長の講演があり2/9-25までに重装JMAT,通常JMAT,統括JMATが派遣されたことを報告されました。次いで下松医師会のJMATのチーム編成と体制づくりについて、山口大学救急部藤田准教授の「令和6年度能登半島地震におけるDMATの活動について」で山口県で県一次隊として1/11-第二次隊として1/18-県内の総合病院から派遣されたことを拝聴しました。又長門健康福祉センター前田所長の「令和6年度能登半島地震におけるDHEAT(災害支援健康危機管理支援チーム)の活動について」の講演があり、最後に能登半島の経験を今後どのように生かしていくか?についてのディスカッションがありました。

11/8ウェブで中国労災病院整形外科の中島祐子先生の「神経障害性疼痛に対する運動器エコーの活用」を拝聴しました。エコーの基礎から組織のエコー画像の特徴、プローブ操作のコツ(異方性、ハードゼリーを使用など)、神経の超音波画像(ハニカム像)の実際と描出のコツ(血管との鑑別には圧迫する)、症例のエコー画像を多く提示して頂きました。最後にエコー下神経ブロックの方法もわかりやすく説明して頂きました。

10/31山口済生会総合病院で第38回山口地域脳卒中ネットワーク研究会、第18回大腿骨近位部骨折地域連携パス研究会があり参加しました。脳卒中リハビリテーション認定看護師美麻先生の脳卒中相談窓口開設について報告がありました。脳卒中センターにこのような相談窓口開設が必要で専門医師、看護師だけでなく、脳卒中療養相談士など多職種が必要で10月第3金曜日から開始したとのことでした。次いで廣中師長より地域連携パス利用患者さんの入退院支援の令和6年度現状の報告があり、70代が多く、大腿骨近位部骨折地域連携パス件数が24例で80-90才がほとんどで要介護度の高い患者さんが多いとのことでした。身寄りがなかったり家族と疎遠、遠方で来院できないなどの背景があると成年後見人制度が必要となり退院支援が困難になるケースがあるとのことでした。地域脳卒中地域連携パスと大腿骨近位部骨折地域連携パスの変更点も説明がありました。最後に各病院間で活発な意見交換会があり終了しました。大変勉強になり手術後の退院調整のご苦労も大変勉強になりました。

10/10 山口グランドホテルで山口県臨床整形外科医会教育研修会があり現地参加しました。産業医科大学整形外科講師の塚本学先生の「重症骨粗鬆症に対する骨粗鬆症管理:骨を強くする上で骨リモデリングは大事‼︎」の座長を担当しました。脊椎固定術と骨粗鬆症に関する世界初のベストプラクティスガイドラインで手術前に骨リモデリングを促進する薬剤を選択することを推奨されたことを紹介されました。脆弱性骨折が生じた時に骨強度が低下しており骨折後2年間以内に骨折リスクが高く早期に治療開始することが重要であるとのことでした。骨リモデリングは破骨細胞と骨芽細胞のインバランスやアンカップリングにより骨量減少が生じるメカニズムをわかりやすく教えて頂きました。骨強度の向上には骨密度と骨質を上げる効果のある骨形成促進剤剤がよく、テリパラチド、アバロパラチドはリモデリングメインであり、ロモソズマブはモデリングメインの薬剤です。ロモソズマブは骨形成は数ヶ月は上昇し石灰化度が上がりますが骨吸収は抑制されています。HRpQCTを用いた臨床研究ではテリパラチド投与後は骨微細構造が変化しますがロモソズマブは骨微細構造には影響がない結果を示されました。ロモソズマブは骨密度上昇速度はテリパラチドより早いですが骨折抑制効果は同等とのことでした。骨質という点においては骨リモデリングを促進するテリパラチド、アバロパラチドを治療初期に投与することを推奨されました。その後に逐次療法として骨吸収抑制剤(特にデノスマブ)を使用することで骨密度上昇と骨折予防効果が持続すること、3年以内の使用後はゾレドロン酸で代用できるそうですが3年以上のエビデンスはないとのことでした。

次に大阪医科薬科大学整形外科大槻教授の「膝関節温存治療の現状と展望」を拝聴しました。変形性膝関節症のメカニズムと保存的治療、膝関節温存治療(軟骨移植、骨切り手術、人工関節単顆置換術)半月板移植術についてお話しされました。膝伸展筋力30-40%の増加すると疼痛改善に有効とのことでした。外側楔状足底板は7-15mmが推奨ですが足関節や股関節の可動域も重要とのことでした。変形性膝関節の研究結果より高齢者でも軟骨は自己修復する可能性を持つことをお示しされました。再生医療の一つで自費治療のPFCFDの関節内注射の効果について運動習慣がある方が優位であることも示唆されました。半月板切除は膝軟骨損傷を助長するので最近は半月板縫合術が主流で半月板scaffoldというコラーゲン移植がありましたが先生はグンゼと協力して人工硬膜に使用されていた材料scaffoldを移植する方法で修復された結果と将来性のあることを提示されました。

10/3午後からポスターで私の発表がありました。演題名は骨粗鬆症薬物治療における医科歯科連携アンケートー九州・沖縄・山口OLS研究会多施設調査-を発表しました。ポスターセッションは金沢駅の地下の広場で開催されており人で賑わっていました。

二日目 シンポジウム「脆弱性骨折予防における医科歯科連携」を拝聴しました。松本歯科大学歯科口腔外科の松本教授の「薬剤関連顎骨壊死の現状と課題」、厚生労働省医政局歯科保健課歯科口腔保健推進室高田先生の「保健医療政策における口腔管理の意義」、富山市民病院整形外科の重本先生の「急性期病院における医科歯科連携」、呉共済病院整形外科の寺元先生の「地域医療における医科歯科協働の実際 呉市の取り組み」について講演されました。田口教授は8020運動で歯を残す効果はあるが感染巣が残存しているため顎骨壊死は減っていないので感染巣を作らないための予防歯科が重要とお話しされました。又抜歯が必要である骨粗鬆症治療でビスフォスフオネート製剤など使用される患者さんに休薬をしないことをポジションペーパー2023に記載してあるが医科歯科連携が地域差が大きく、医師、歯科医師の情報欠如、キーマンの欠如、感染巣の除去を共通認識にすることをお話しされました。高田先生は高齢者の歯科受診は年々増加し80才で20本の歯が残っている人は52%、抜歯は65-69才が最も多いが若い人は虫歯以外に親知らずなどによる抜歯が多く、高齢者は歯周病が多いとのことでした。厚労省はかかりつけ歯科医の役割の患者アンケートからも口内環境を保つだけでなく医科との連携するから選ばれているとのことでした。オーラルフレイル対策に加えてレセプトデータを活用した評価分析事業を新規に加えたこと、医科歯科薬科連携について市民講座など国の補助が出ることを教えて頂きました。富山市民病院の重本先生は近年骨折患者の高齢者の骨粗鬆症によるものが増加していること、骨粗鬆症治療における顎骨壊死に次いで多い術後肺炎の予防に術前口腔管理が重要とのことでした。術前口腔ケアができないことも多い問題もありますが先生の施設における術前歯科受診の必要性の説明、術後翌日歯科診察、早期の骨粗鬆症治療薬の選択、多職種連携による歯科受診有無を含めた患者フォローアップなど具体的に説明されました。呉共済病院の寺元先生は呉市の医科歯科連携について市と協力してレセプトデータを利用した取り組みを講演されました。ビスフォスフオネート製剤による顎骨壊死の発生率が0.1%というデータも出され、呉市骨粗鬆症重症化予防プロジェクトが始まり歯科でのパノラマ撮影の無料健診の導入、歯科から医科への骨粗鬆症検査の相談、医科から歯科への骨粗鬆症治療前の紹介など日本で先進的な取り組みが骨折予防に効果があることも教えて頂きました。 

ランチョンセミナーでは最初に東京慈恵会医科大学臨床検査医学講座越智先生の「骨粗鬆症一次予防へ向けて:検査と健診の役割と障壁」拝聴しました。日本人の90%以上がビタミンD不足であるとのことですがくる病リスクが12ng/ml,大腿骨頚部骨折リスクが15ng/mlであるがカットオフ値は人種差があり今後変化する可能性があり健康寿命のための栄養という位置づけになるそうです。骨質を反映するAGEを指腹で測定する機器の紹介もあり興味深い講演でした。次いで東京慈恵医大斎藤充教授の「骨折診断・骨密度測定・骨質評価の最前線―明日から使えるAI(スマートQM)から骨質評価法の進歩まで―」では骨密度測定では椎体の変形のない椎体を計測する必要があり骨粗鬆症治療は一生続ける必要があります。椎体骨折はレントゲン写真で診断しますが見逃しがあります。Aiを利用した診断ソフトの紹介をされました。又骨AGEs(酸化ストレス)が骨質のみでなく、糖尿病、腎不全、動脈硬化、歯周病などに関与する研究を解説して頂きました。

金沢駅の出口に骨粗鬆症学会の素晴らしい垂れ幕がかかっていた写真です

10/12 金沢で開催された骨粗鬆症学会に参加しました。前日博多で泊まって飛行機で行きました。(プロペラ機でしたが静かで快適でした)

ランチョンセミナーで呉共済病院歯科口腔外科の東森 秀年のAI解析ソフトウェアを活用した歯科パノラマX線画像による骨粗鬆症スクリーニングを拝聴しました。座長の松本歯科大学田口教授が最初にパノラマ撮影による骨粗鬆症スクリーニング診断の基礎を解説されました。歯科でのパノラマ撮影で下顎骨皮質骨厚み3mm以下、皮質骨形態3型の場合に骨粗鬆症を疑い整形外科に紹介することを推奨されていますが実際には中々そこまで医科歯科連携が進んでいないことが現状です。歯科パノラマX線画像解析Aiを利用して下顎骨皮質骨厚み、皮質骨形態を自動診断するソフト(PanoSCOPE)を紹介されました。呉共済病院歯科口腔外科でAiにより骨粗鬆症の疑いありと診断された85.5%が骨密度で骨粗鬆症であり感度82%、特異度54%という結果をお示しされました。このソフトの導入のより呉共済病院歯科口腔外科から整形外科への紹介が増えたとのことでした。又呉市での骨吸収抑制薬関連顎骨壊死予防診療ネットワークでの医科歯科連携について紹介されました。呉市では65才で歯科検診を無料で受けれること、薬剤師が初回の骨吸収抑制薬処方される時に歯科受診を勧めること、デノスマブ中断患者に市が受診勧奨を行う取り組みを示されました。