院長ブログ – ページ 14

山口県臨床整形外科医会教育研修会がありました。第一講演の山口大学整形外科の船場先生が頚椎疾患の診断治療の最新知見の講演の座長をしました。頚部痛は成人の30%が経験するが頸髄症は10万人あたり60人以上とされています。見逃せない疾患として化膿性脊椎炎、頸髄腫瘍などが注意する必要があります。頸髄症の初発症状は手のしびれや脱力もありますが下肢の脱力が診断に有用なこともあるそうです。名古屋大学との共同研究で膝蓋腱反射、ホフマン反射、10秒テストと年齢を組み合わせる頸髄症の診断モデルを教えて頂きました。鑑別診断として神経根症、手根管症候群、頸椎症性筋萎縮症について鑑別ポイントを教えて頂きました。頸椎症性筋萎縮症の電気生理学的診断で山口大学での研究結果から予後予測についても教えて頂きました。頸髄症の山口大学での手術成績については年齢が若く罹病期間が短いと治療成績が向上し頸椎前屈での後弯が強い場合に手術法を変更する必要があるそうです。

次いで旭川荘療育医療センターの青木先生のDDH(先天性股関節脱臼)のリスク因子・画像評価・治療、成長痛の鑑別診断、子供の安全安心のためのエコー評価の講演を拝聴しました。肘内障のエコー動画、母子変形、特に強剛母指、握り母指、筋性斜頸のエコー所見を提示していただき治療について筋性斜頸はマッサージはしない方がいいことも教えて頂きました。成長痛は一過性の下肢痛であり、診断名ではないこと、鑑別診断について股関節疾患が多く特にペルテス病には注意が必要とのことでエコーで関節炎が長期で骨端線の不整も勉強になりました。最後に股関節脱臼検診についてのお話で開拝制限、大腿のしわの不対称、X線写真の左右対称性の注意点、特にグラフ法によるエコー診断について詳しく解説して頂き予防法と治療に関しても教えて頂きました。

10/17クリニック終了後にセントコア山口で山口大学霜人会山口支部総会があり参加しました。2012年に開業してから初めての参加ですが開業医だけでなく、山口済生会総合病院の先生方も参加されていました。山口大学放射線腫瘍学講座の田中教授の講演の後に懇親会があり先輩後輩の先生方とお話しできました。会長の福田先生はラグビー部の大先輩でもあり久しぶりにお話しできたことが一番嬉しい出来事でした。

10/14 山口維新ホールにて関節リウマチセミナー in 山口があり参加しました。下関市民病院膠原病内科の太田先生の講演がありました。関節リウマチの病態は遺伝的要因に環境要因(喫煙、歯周病)が加わり自己免疫により関節滑膜炎による関節痛、関節破壊へと進行すること、リウマチ因子、抗CCP抗体の基礎的知識、治療(特に生物学的製剤の使い分け)についても教えて頂きました。

次いで草薙整形外科リウマチクリニックの桃原先生の「女性リウマチ患者のマネジメント」の特別講演を拝聴しました。関節リウマチは早期発見、早期治療が特に重要で発見治療が遅れると治療抵抗性のD2TRAとなることも教えて頂きました。関節痛は侵害受容性疼痛であるが原因が特定できない痛覚変調性疼痛の場合もあること、神経系と免疫系は密接に関連していることも教えて頂きました。関節リウマチは女性は男性より2-3倍多いこと、胎児、幼少期の受動喫煙、喫煙はリウマチリスクが明らかに増加するとのことでした。各世代におけるリウマチの治療課題として高齢発症が増加していること、それぞれのライフステージにおいて治療について説明して頂きました。妊娠出産においてMTX製剤が使用できないのてステロイドのみでなく、生物学的製剤単独で使用する場合もあるが適応に関しては慎重にとのことでした。多剤併用の薬剤も近年高齢者で問題になっていますがリウマチ治療においても生物学的製剤単独で治療できるものを選択する、減量する、投薬変更も念頭におくこと、関節リウマチにおける足関節周囲以外は手術件数は減少していることをお話しされました。

10/14クリニック終了後にウェブで運動器リハビリテーション医継続のための講習会を受けました。愛知医大痛みセンターの牛田教授の「運動器疼痛とリハビリテーション」、NTT東日本関東病院の大江先生の「ロコモとフレイルとの関係を理解し、ロコモの手法で健康寿命延伸と介護予防に貢献する」、二階堂医院の二階堂先生の「運動器リハビリテーション〜ロコモティブシンドローム〜ロコモティブシンドロームと介護保険制度の観点から〜」の講義がありました。ロコモ度1は4590万人、ロコモ度2は1380万人、ロコモ度3は580万人とされ、ロコモ度3は身体的フレイルに相当するのでロコモの予防がフレイル、サルコペニアの予防につながるということを再認識しました。

10/12山口グランドホテルで関節リウマチの足部病変を考える会に参加しました。小郡第一病院整形外科の末富裕先生の外反母趾に対する手術治療の小経験を講演されました。外反母趾は中高年の女性に多い疾患です。変形は3次元的でX線での評価、装具などの保存的治療、手術治療について解説して頂きました。外反母趾高度の方、内転中足ほど再発率が高いとのことで再発率を少なくする工夫をされているとのことでした。

次いで倉敷中央病院整形外科の伊藤宣先生の関節リウマチによる足部変形への治療戦略を拝聴しました。関節リウマチの足病変はリウマチ病変の4割以上と多い病変でリウマチの薬物治療の進歩により手術件数は減ったのですが足病変の手術は減少していないそうです。リウマチの寛解状態でも足部の滑膜炎は残存していることも多く後の関節破壊につながるとのことでした。京都大学の調査でリウマチの前足部病変は78%もあり外反母趾変形では底屈制限が多いとのことでした。後足部の病変は外反足が比較的多く、距骨下関節病変の方が足関節病変より先に生じることが多く痛みも早く来しやすい、後脛骨筋腱不全、関節滑膜炎、腱鞘炎もきたしやすいとのことでした。海外では扁平足という用語がprogressive collapsing foot deformityという用語に変更されること情報も教えて頂きました。手術治療については前足部、後足部の手術に分けて教えて頂きました。以前から多く行われていた中足骨切除関節形成術は再発が多い傾向があり、関節固定術は再発は少ないが可動域が制限され、最近多く行われている関節温存手術は骨切りと軟部組織手術の追加が必要であること、関節拘縮の強い場合は注意が必要であることも教えて頂きました。後足部手術では足関節と距腿関節を同時に固定はなるべく避けることが望ましく、人工足関節置換術は再手術が比較的多く適応は慎重に行うこと、新しい人工関節(TM関節)、人工距骨を併用した人工足関節も紹介されました。

5回日本フットケア足病学会に参加しました。

午前中、午後にフットケア指導士対象実技講習を受けました。

ランチョンセミナーでCLTI(包括的高度慢性下肢虚血)における補助治療の役割について拝聴しました。末梢動脈疾患ガイドラインに基づき済生会八幡総合病院血管外科の郡谷先生が講演されました。虚血や感染により下肢に潰瘍や壊疽を発症するCLTIでは切断リスクを有し早期治療介入が必要です。バイパス手術や血管内治療が積極的に行われており、血行再建では自家静脈を用いたバイパス手術が標準治療ですが全身不良例には低侵襲の血管内治療が選択されます。新たな補助療法として遺伝子治療(コラテジェン)が期待されておりその治療成績を提示して頂きました。

午後は教育講演3 佐賀大学形成外科の上村先生の日本フットケア・足病医学会九州・沖縄地方会のあゆみと石橋理津子先生の日本フットケア学会のあゆみ〜新たな認定制度について〜を拝聴しました。2003年に発足した日本フットケア学会と2009年に発足した日本下肢救済・足病学会が2019年に日本フットケア・足病学会が設立された経緯について解説されました。石橋先生からそれぞれの学会の認定士はフットケア指導士、フットケア・足病治療認定師の2つとなり試験は指導士のみでフットケア足病治療認定師の資格を取得する権利があるとのことで書類申請が必要とのことでした。

最後に日本フットケア・足病医学会が目指すもの〜職種別フットケア指導士の役割を拝聴しました。大分岡病院の古川先生、たけうちクリニックの西村先生、黒木記念病院の渡邊先生、砂田義肢製作所の多比良先生、熊本大学の伊方先生がそれぞれの医師、看護師、理学療法士、義肢装具士、地域連携の立場からお話されました。

シンポジウム18で骨粗鬆症の疫学 NDBの有用性と活用を拝聴しました。日本のレセプトデータが公開されておりエビデンスのあるデータ解析が今後日本でも行われていくと思いました。

あさひ病院 中藤先生 都道府県別に見た骨粗鬆症の現状と二次大腿骨近位部骨折発生状況で薬剤継続率は2年で80%超えると治療効果高いとのことですが西高東低で薬剤中断率と有意の相関ありとのことでした。骨粗鬆症認定医とマネージャーは二次性骨折高い県では少なく、山口県は少ないので頑張らないと、という気持ちになりました。

東京大学小川先生 我が国における認知症・フレイルと骨折・対組成との関連性の講演では

ビタミンD製剤投与は大腿骨近位部骨折を有意に抑制した 

認知症患者の骨粗鬆症治療頻度 30%にとどまる

アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症患者で認知症治療薬は大腿骨近位部骨折を有意に抑制する 

睡眠薬は(超)短時間型が効果高いという内容で、

NDBから見える糖尿病治療薬と骨折発生との関連

大阪大学玉置先生は 約96000人のデータ解析

糖尿病薬剤別の骨折リスク 内服ではAGI、DPP4阻害剤、インスリンで大腿骨近位部骨折、インスリン製剤は椎体骨折発生率高い 

インスリンの大腿骨近位部骨折は初回、変更投与後半月以内に高いとのことでした。

NDBから見えるステロイド性骨粗鬆症の診療実績では

グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症ガイドライン2023学会登場 経口糖尿病薬3ヶ月以上でリスクある患者の骨粗鬆症治療薬投与ガイド

骨粗鬆症治療薬はステロイド3ヶ月以上投与の場合骨粗鬆症治療が推奨され

デノスマブとビスフォスフオネート製剤は骨折を有意に抑制するがテリパラチドは骨折リスク低い?とのことでした。

ステロイド5mg未満の患者の骨折リスク 30日未満と以上で年代別にも解析した結果2ヶ月以上投与では有意に骨折リスク上昇したとのことでした。

教育研修では澤口毅先生の脆弱性骨折骨折(FFP)の講演を聴きました。高齢者の大腿骨近位部骨折は海外では減少していますが骨盤寛骨臼骨折は増加しています。65才以上で骨折リスクは男性2.8 %女性6.9%というデータがあるそうです。日本の発生率は10万人あたり487人、一年後死亡率も10%,2年で17%という報告があり今後非常に注目されています。ビタミンD欠乏があるので投与必要とのことでした。転倒しなくても骨折生じることあり腰痛や下肢痛あり恥骨骨折では血管損傷も稀にあるそうです。特徴は第二仙骨部仙骨翼で起こりHタイプが多いそうです。X線での診断は20%しかなくMRIよりCTが骨折の病型診断には有用です。保存的治療はペット上安静と骨粗鬆症治療(特に骨形成促進剤)ですが不安定型が約5%あり手術適応になるとのことでした。

ランチョンセミナーで沖本先生の医科歯科連携から始まった地域でみる骨粗鬆症治療ー顎骨壊死・骨髄炎は減ったか?骨折は減ったか?を拝聴しました。沖本先生は呉市のレセプトデータから骨折、顎骨壊死の発生率を教えて頂きました。呉市では骨粗鬆症治療を中断した患者さんに手紙で受診を促すような連携もされているそうです。呉市で60才以上の方に歯科検診、顎骨X線撮影し骨粗鬆症の疑いがあれば整形外科紹介するシステムが構築されています。その結果ビスフォスフオネート製剤で顎骨壊死が1000人に1.33人、治療していなくても0.05人発生したとのことでした。呉市で癌の治療で顎骨壊死の頻度が下がっているのは投与前の歯科紹介、歯科治療継続が効果を出しておりビスフォスフオネート製剤でも投与初期の歯科紹介、治療継続することで脊椎骨折、大腿骨近位部骨折の発生率が減少した結果を出されました。椎体骨折が生じた時に骨粗鬆症治療を開始することがその後生じる可能性のある大腿骨近位部骨折の抑制に繋がります。骨形成促進剤でテリパラチドはリモデリング、ロモソズマブはモデリングで骨密度増加しますが、顎骨壊死の治療にもリモデリングの観点からもテリパラチドが有効な場合があるとのことも教えて頂きました。逐次療法についてもそれぞれの薬剤について教えて頂きました。

次いでシンポジウム19 MRONJ(薬剤関連顎骨壊死)ポジションペーパ2023があり拝聴しました。

松本歯科大学の田口教授がMRONJの診断ー定義、ステージ分類と画像診断についてではステージ0は残すが診断から除外、画像所見はステージから独立抜歯窩の残存、歯根膜腔の拡大、著明な骨硬化(骨粗鬆症)

山陰労災病院の萩野先生が低容量製剤によるMRONJではMROJ発生リスクとしてビスフォスフオネート製剤、デノスマブなどによる骨のリモデリング阻害、細菌感染、血管新生阻害が原因とされ、発生率は日本では年間2500例、10万人あたり100人以上で、予防的休薬については意味がないとされたが投与期間が長いと治癒率が遷延した。休薬後3年で骨密度減少が25%、椎体骨折リスクも上昇する、デノスマブ、ロモソズマブは中止で特にリスク上昇する、ビスフォスフオネート製剤処方に当たって口腔衛生管理が重要であり、歯科紹介がビス剤やデノスマブでは強く推奨、テリパラチドでも逐次療法でビスフォスフオネート製剤の可能性を考えて歯科紹介が望ましい。

京都府立大学の田口先生がMRONJをおこす癌治療の現状については抗癌剤による骨転移治療のデノスマブ、ゾレドロン酸の骨リモデリング作用と口腔感染で生じるがベバシズマブに代表される血管新生阻害剤もリスクとなる、癌治療関連骨減少(アロマターゼ阻害剤)では歯科治療後にデノスマブ治療が病態に有用であり歯科紹介による顎骨壊死の発生はなかったとのことでした。

兵庫県立医大の岸本先生がMRONJ 予防のための医科歯科連携ー最新の情報を理解した上ーではMRONJでは治療における手術の優先度(壊死組織除去)が高まったこと、医科歯科連携から医歯薬連携へということなどを解説されました。2016のポジションペーパで抜歯難民が増加した、歯周病の抜歯を避けると顎骨内細菌感染に進行、リスク因子として感染を重視した、抜歯して骨から出血がないと従来からあった骨髄炎が顕在化できる(診断できる)、予防的休薬は不要である、抗生剤抜歯前予防投与と長くても2日、デノスマブ投与後4ヶ月目で抜歯、抜歯後1ヶ月投与延期するなどは可で骨粗鬆症治療する患者は全例が歯科スクリーニングの対象で骨吸収抑制剤は特に重要とのことでした。

9.29クリニックを少し早めに出て新幹線で名古屋まで行き、9.30から名古屋国際会議場で開催されている日本骨粗鬆症学会に参加しました。朝一の発表でしたが参加者は看護師さん、薬剤師さんなど骨粗鬆症マネージャーの方も参加しており特に昼のランチョンセミナーでは弁当がなくなるほどの盛況ぶりでした。私の発表はテリパラチド製剤の比較検討で他の先生の発表を聞くのも参考になりました。

9/28 クリニック終了後に山口県骨代謝研究会がウェブであり拝聴しました。山口大学大学院医学系研究科 整形外科学助教 三原 惇史 先生が「骨粗鬆症における骨癒合に対するPTH製剤と抗スクレロスチン抗体 」
について講演されました。次いで大阪大学大学院工学研究科 マテリアル生産科学専攻 材 料 機 能 化 プ ロセ ス 工 学 講 座 生 体 材 料 学 領 域教授 中野 貴 由 先生の「骨質指標としての骨基質配合性と 整形外科デバイスへの応用」の講演がありました。骨粗鬆症治療と研究に関して大変勉強になりました。

9/27 Yamaguchi Next Generation Orthopedic Surgeon Forumがあり拝聴しました。山口大学整形外科の上原先生の整形外科の5年間を振り返ってと西田先生の海外留学に対する心構えについてのミニレクチャーがありました。最後に帝京大学整形外科の渡邊教授の「整形外科医のためのわかりやすい発表方法とスライド作成10ヶ条」は拝聴しました。スライド作成の本を2冊出されておられて私も購入しましたが中々実際には難しいのですが今回も文字を大きく、3秒以内にメッセージが読み取れるように、箇条書きを使わない、基本4色を決める、ホワイトスペースを大切にするなどなど明日に生かせるスライド作成のテクニックを教えていただきました。