院長ブログ – ページ 117

クリニック終了後に19時から九州沖縄山口骨粗鬆症リエゾンサービス研究会ウェブ会議が行われました。代表世話人の熊本の鶴上先生の司会で各地区の世話人の先生方と約一時間の会議でした。前回のウェブセミナーの参加者結果とアンケートの結果や次回の発表者など決定しました。山口県の参加者はまだまだ少なくもっと周知していく必要があると感じました。
昨日家でNHKアスリートの魂を観ました。ツールドフランスにも常連で日本を代表するロードレーサー新城幸也さんの特集でしたが、リオオリンピック半年前に大腿骨転子部骨折で手術した後の壮絶な復帰に向けてのリハビリやトレーニングがありましたが、何より素晴らしいのは逆境を楽しむ?自転車が好きでたまらないから、究極まで自分を追い込むことなど、非常に共感できましたし、一流の選手は天性の素質だけでなくたえまない努力のたまものであることを思い知らされました。新城選手にはぜひオリンピックでメダルを取ってもらいたいですね。
最近は来週木曜日に宇部である講演に向けて目下準備中です  昨日日曜日は一日データ入力に費やしました。結構地道な作業ですが一度入力してしまうと後は解析あるのみで、自分の診療を客観的に見直すいい機会と思って奮闘中です。
東京大学整形外科の松平浩先生の新書「腰痛は動かして治しなさい」が届きました。最近も精力的にお仕事をされている姿は尊敬しており、またマッケンジー法のよき理解者でもある先生のこれからの活躍も注目しています。今回の新書も一般の方向けに分かりやすく書かれているのでお勧めです。
今はやりのPOKEMON GOに挑戦しました。実は20年前にポケモンのゲームがゲームボーイで最初に始まった時に子供と遊ぶために始めてから自分がはまってしまって全クリ(全部クリアすることです)するまではまった思い出がありますが、今や全世界でスマホで拡張現実という世界で大人からも支持されているなんて信じられませんが、実際にプレイしてみるとなるほど、よくできていますが、さすがに全クリする余裕はありません。
7/21のDrs.Fitness K STUDIOでのPT 中田さんのDrsYOGAに出たスタッフの北島さんが撮影してくれた写真を拝借しました。コラーゲンルームでやるのでコラーゲンランプの色でこんな感じですがなかなか様になっていますね。
7/20クリニック終了後に宇部で山口クロニックペインセミナーに参加しました。山口大学整形外科の鈴木先生が山口大学ペインセンターの現状と最近の取り組みについて講演されました。山口大学で取り組んでいる集学的治療について紹介されました。厚労省が慢性の痛み対策研究班と痛みセンター連絡協議会を介して山口大学にペインセンターが設立されたいきさつをお話しされました。整形外科と麻酔科 、神経科 、リハビリテーション科と看護師、ソーシャルワーカーがチームで慢性疼痛患者さんの治療に取り組まれています。鈴木先生は整形外科として器質的疾患の評価を担当されています。様々な痛み評価スケールを用いていますがiPad問診を用いておりデータ管理をされています。各科のDrとメディカルスタッフの合同カンファレンスで神経症状、評価スケールなど詳細に検討しておられるとのことでした。一年で28例の患者さんを入院治療されたとのことで難治性慢性腰痛の患者さんに対して運動療法ではセルフエクササイズを重視され、認知行動療法の実際やペーシングなど紹介され山口大学ペインセンターが取り組む地域連携に向けての取り組みや、海外のペインマネジメントセンターとの交流、慢性痛教育センター構想なども紹介されました。
次いで慶応大学整形外科の中村雅也教授が脊髄再生の未来ー臨床応用に向けてーという講演を拝聴しました。脊髄損傷の患者さんの脊髄再生が脊椎脊髄外科医の悲願でありますがその研究で日本のトップランナーである先生の講演を楽しみにしていました。我が国の高齢化社会に必要なものは、呆けずに動けるということ、すなわち麻痺と疼痛の克服が重要で、先生のキーワードは老化、再生、スポーツ外傷で基礎医学の底上げを行うことを教室の目標にされています。正常な脊髄の機能が加齢性変化が加わり軽微な外傷で損傷が生じる場合と正常な脊髄の機能がある一定の限界を越えると脊髄損傷に至る場合があります。脊髄損傷に対する再生医学の戦略として二次損傷を最小限に食い止めることなどがあり、脊髄損傷に関する中絶胎児の神経幹細胞移植が挫折した経緯と山中教授のiPS細胞を用いた脊髄再生への転換され、適切なiPS細胞株を用いれば長期に渡る運動機能の回復が獲得される動物実験の動画を見せていただきました。一方で危険なiPS細胞由来神経幹細胞移植後に腫瘍化することがあるので安全な移植をするのに非常に苦労されたそうですが、染色体に傷をつけない遺伝子導入法を用いて安全性を確立する工夫もわかりやすく説明されました。中村教授らが分化誘導法を確立され、臨床研究応用するため亜急性期完全損傷に対するiPS細胞移植が来年始まるそうです。脊髄損傷患者さんの軸索の評価を拡散テンソル投射路撮影を用いて錐体交差や皮質脊髄路、灰白質など選択的に描出できるそうです。神経線維比と脊柱管狭窄の関係を研究されたり、ミエリンマップの紹介やファンクショナルMRIで神経障害性疼痛の評価ができること、慢性期完全脊髄損傷に対して神経幹細胞移植にはリハビリテーションを併用する(HALなどのロボット工学)ことが重要であることなど熱く語られました。

 
7/19連休明けで現実に引き戻された一日でした。北海道の思い出として学会前に美瑛で青い池を見に行き、レストランビブレで美味しいランチを食べたこと、初日の学会終了後宇部で開業されている加藤圭彦先生とモエレ沼公園にあるレストランで食事して情報交換したことは気分転換にもなり、いい思い出でした。加藤先生と私と今は亡き金子先生は山口大学整形外科脊椎グループの一員として一緒に働いてきた同志であり、私が山口県立総合医療センターに赴任した後も加藤先生は医局長として臨床と研究に頑張っておられましたので、頭が下がる思いです。お互いが意見を出し合い、高めあっていく存在でしたので本音で付きあえる友人でもあり元気で楽しく開業生活を送っていることに安心するとともにお互い元気で頑張っていくことなど旧知を温めることができて最高の思い出となりました。



 
7/18骨粗鬆症性椎体骨折の病態と最近の治療のシンポジウムで私が最初の演者でした。骨粗鬆症性脊椎骨折の診断について発表しました。次いで高岡市民病院の中野先生が 遅発性神経障害の病態について発表され、椎体内の不安定性などが原因とされますが先生らの研究は座位前屈と仰臥位での椎体不安定性と神経麻痺の関連で脊柱管占拠率が45パーセント以上で有意に高く、神経根症状を来すものは椎体後弯変形が関与していた。椎体後壁損傷例、MRIでの信号のタイプがあり、中下位腰椎骨折に対してバルーン椎体形成術やテリパラチド使用で対応できる可能性があるとのことでした。次いで骨粗鬆症性椎体骨折の早期介入保存療法で山形脊椎センターの武井先生の報告は発症後2週以内のほうが後壁損傷の割合が少なく、後壁損傷のない骨折が骨癒合率が高く、外傷のない骨折例でも入院したほうが高い骨癒合率が得られたとのことでした。川蔦整形外科病院の宮本先生が保存的治療と自宅復帰について発表され、入院して3週間の保存的治療で77パーセントが自宅復帰可能であリ、早期の起居動作や移動手段獲得のリハビリが重要とのことでした。函館中央病院脊椎センターの金山先生がバルーン椎体形成術治療について発表されました。テリパラチドを新鮮椎体骨折に使用することで骨癒合率が有意に高く、偽関節例が少なくなっていますが、保存的治療でも疼痛が改善しない例では不安定性の強い症例を除いてバルーン椎体形成術を行い、除痛効果は良好で後弯変形は直後よくなりますがその後進行し 続発性骨折が13パーセントでした。最後に北海道大学の須藤先生が前方除圧再建術と椎体形成併用後方除圧固定術の比較されました。成績に有意差はなく、前方法は後方法より有意に出血量が多く、骨粗鬆症強い症例は注意が必要とのことで侵襲の少ない後方法を推奨されました。その後壇上に演者が上がって座長の鎧先生からの質問に答えましたが早期発見して早期保存的治療を行い、まとめとして骨粗鬆症治療を継続することが重要であることで締めくくられました。