院長ブログ – ページ 11

11/3ウェブで関節エコー研究会を拝聴しました。

北海道大学 神島 先生の「リウマチ超音波検査の『死角』を考える」、新潟県立リウマチセンター阿部  先生の「手指屈筋腱のふしぎ」、日本赤十字社医療センター 鈴木  先生の「RAの早期診断・治療介入における腱鞘滑膜炎の意義」、北海道内科リウマチ科病院 成田  先生の「微妙なエコー所見をどうとらえるか?-高感度低流速血流検出法の評価を加えて-」、順天堂大学 小笠原  先生の「グレード1の血流、滑膜周囲の血流、滑膜病変およびその他のB-モード所見の意義と解釈のポイント」、獨協医科大学 池田 啓 先生の「分子標的薬の減量・休薬における関節エコーの役割」
を拝聴しました。関節リウマチで関節エコーの重要性について改めて勉強になりました。

 

木曜日午後恒例のパーソナルトレーニングにKスタジオに行きましたが途中にヘビに遭遇しました。

マムシなどの毒ヘビではなくシマヘビでしたが調べると凶暴性もあり、稀に破傷風菌を有することもあるとのことで刺激しないように気をつけましょう。

10/29 日本整形外科学会リウマチ医認定医研修会がウェブであり拝聴しました。小児リウマチ疾患、脊椎関節炎、薬物療法(MTX、生物学的製剤、JAK阻害薬)、MTX関連リンパ増殖性疾患、真の寛解を目指したリウマチ治療についての講義がありました。

小児リウマチ疾患は成人と比べて頻度が少なく小関節型と大関節型、リウマチ因子陽性型と陰性型などあり早期診断、早期治療が必要であるとのことでした。関節リウマチとの鑑別疾患として重要な脊椎関節炎の分類とそれぞれの特徴、治療、メトトレキサート(MTX)の基礎から投与禁忌や投与への注意事項、生物学的製剤投与での注意点なども勉強になりました。

先日リハビリカンファレンスがありました。今回は増永PT(理学療法士)が講師でファンクショナルピラティスについて講義してくれました。ピラティスにも様々な方法がありますがクリニックでも使えるやり方を他のPTに伝えて和気あいあいとした時間でした。

山口県臨床整形外科医会教育研修会がありました。第一講演の山口大学整形外科の船場先生が頚椎疾患の診断治療の最新知見の講演の座長をしました。頚部痛は成人の30%が経験するが頸髄症は10万人あたり60人以上とされています。見逃せない疾患として化膿性脊椎炎、頸髄腫瘍などが注意する必要があります。頸髄症の初発症状は手のしびれや脱力もありますが下肢の脱力が診断に有用なこともあるそうです。名古屋大学との共同研究で膝蓋腱反射、ホフマン反射、10秒テストと年齢を組み合わせる頸髄症の診断モデルを教えて頂きました。鑑別診断として神経根症、手根管症候群、頸椎症性筋萎縮症について鑑別ポイントを教えて頂きました。頸椎症性筋萎縮症の電気生理学的診断で山口大学での研究結果から予後予測についても教えて頂きました。頸髄症の山口大学での手術成績については年齢が若く罹病期間が短いと治療成績が向上し頸椎前屈での後弯が強い場合に手術法を変更する必要があるそうです。

次いで旭川荘療育医療センターの青木先生のDDH(先天性股関節脱臼)のリスク因子・画像評価・治療、成長痛の鑑別診断、子供の安全安心のためのエコー評価の講演を拝聴しました。肘内障のエコー動画、母子変形、特に強剛母指、握り母指、筋性斜頸のエコー所見を提示していただき治療について筋性斜頸はマッサージはしない方がいいことも教えて頂きました。成長痛は一過性の下肢痛であり、診断名ではないこと、鑑別診断について股関節疾患が多く特にペルテス病には注意が必要とのことでエコーで関節炎が長期で骨端線の不整も勉強になりました。最後に股関節脱臼検診についてのお話で開拝制限、大腿のしわの不対称、X線写真の左右対称性の注意点、特にグラフ法によるエコー診断について詳しく解説して頂き予防法と治療に関しても教えて頂きました。

10/17クリニック終了後にセントコア山口で山口大学霜人会山口支部総会があり参加しました。2012年に開業してから初めての参加ですが開業医だけでなく、山口済生会総合病院の先生方も参加されていました。山口大学放射線腫瘍学講座の田中教授の講演の後に懇親会があり先輩後輩の先生方とお話しできました。会長の福田先生はラグビー部の大先輩でもあり久しぶりにお話しできたことが一番嬉しい出来事でした。

10/14 山口維新ホールにて関節リウマチセミナー in 山口があり参加しました。下関市民病院膠原病内科の太田先生の講演がありました。関節リウマチの病態は遺伝的要因に環境要因(喫煙、歯周病)が加わり自己免疫により関節滑膜炎による関節痛、関節破壊へと進行すること、リウマチ因子、抗CCP抗体の基礎的知識、治療(特に生物学的製剤の使い分け)についても教えて頂きました。

次いで草薙整形外科リウマチクリニックの桃原先生の「女性リウマチ患者のマネジメント」の特別講演を拝聴しました。関節リウマチは早期発見、早期治療が特に重要で発見治療が遅れると治療抵抗性のD2TRAとなることも教えて頂きました。関節痛は侵害受容性疼痛であるが原因が特定できない痛覚変調性疼痛の場合もあること、神経系と免疫系は密接に関連していることも教えて頂きました。関節リウマチは女性は男性より2-3倍多いこと、胎児、幼少期の受動喫煙、喫煙はリウマチリスクが明らかに増加するとのことでした。各世代におけるリウマチの治療課題として高齢発症が増加していること、それぞれのライフステージにおいて治療について説明して頂きました。妊娠出産においてMTX製剤が使用できないのてステロイドのみでなく、生物学的製剤単独で使用する場合もあるが適応に関しては慎重にとのことでした。多剤併用の薬剤も近年高齢者で問題になっていますがリウマチ治療においても生物学的製剤単独で治療できるものを選択する、減量する、投薬変更も念頭におくこと、関節リウマチにおける足関節周囲以外は手術件数は減少していることをお話しされました。

10/14クリニック終了後にウェブで運動器リハビリテーション医継続のための講習会を受けました。愛知医大痛みセンターの牛田教授の「運動器疼痛とリハビリテーション」、NTT東日本関東病院の大江先生の「ロコモとフレイルとの関係を理解し、ロコモの手法で健康寿命延伸と介護予防に貢献する」、二階堂医院の二階堂先生の「運動器リハビリテーション〜ロコモティブシンドローム〜ロコモティブシンドロームと介護保険制度の観点から〜」の講義がありました。ロコモ度1は4590万人、ロコモ度2は1380万人、ロコモ度3は580万人とされ、ロコモ度3は身体的フレイルに相当するのでロコモの予防がフレイル、サルコペニアの予防につながるということを再認識しました。

10/12山口グランドホテルで関節リウマチの足部病変を考える会に参加しました。小郡第一病院整形外科の末富裕先生の外反母趾に対する手術治療の小経験を講演されました。外反母趾は中高年の女性に多い疾患です。変形は3次元的でX線での評価、装具などの保存的治療、手術治療について解説して頂きました。外反母趾高度の方、内転中足ほど再発率が高いとのことで再発率を少なくする工夫をされているとのことでした。

次いで倉敷中央病院整形外科の伊藤宣先生の関節リウマチによる足部変形への治療戦略を拝聴しました。関節リウマチの足病変はリウマチ病変の4割以上と多い病変でリウマチの薬物治療の進歩により手術件数は減ったのですが足病変の手術は減少していないそうです。リウマチの寛解状態でも足部の滑膜炎は残存していることも多く後の関節破壊につながるとのことでした。京都大学の調査でリウマチの前足部病変は78%もあり外反母趾変形では底屈制限が多いとのことでした。後足部の病変は外反足が比較的多く、距骨下関節病変の方が足関節病変より先に生じることが多く痛みも早く来しやすい、後脛骨筋腱不全、関節滑膜炎、腱鞘炎もきたしやすいとのことでした。海外では扁平足という用語がprogressive collapsing foot deformityという用語に変更されること情報も教えて頂きました。手術治療については前足部、後足部の手術に分けて教えて頂きました。以前から多く行われていた中足骨切除関節形成術は再発が多い傾向があり、関節固定術は再発は少ないが可動域が制限され、最近多く行われている関節温存手術は骨切りと軟部組織手術の追加が必要であること、関節拘縮の強い場合は注意が必要であることも教えて頂きました。後足部手術では足関節と距腿関節を同時に固定はなるべく避けることが望ましく、人工足関節置換術は再手術が比較的多く適応は慎重に行うこと、新しい人工関節(TM関節)、人工距骨を併用した人工足関節も紹介されました。