院長ブログ – ページ 103
ステロイド性骨粗鬆症と関節リウマチの骨粗鬆症
2017/07/06
ステロイド性骨粗鬆症と関節リウマチの骨粗鬆症という演題で豊橋市民病院整形外科部長の平野先生の講演を拝聴しました。豊橋市民病院では年間1000名のリウマチ患者さんを診ておられるそうです。ステロイド性骨粗鬆症の臨床兆候と病態について、長期ステロイド治療は30-50パーセントに発生するとのことで、骨吸収が骨形成より上回るだけでなく、骨質が低下すると言われています。ステロイド性骨粗鬆症では骨芽細胞機能の低下と骨形成の低下がおこり、善玉架橋の低形成がおこるそうです。又原発性骨粗鬆症と比較して骨密度が高めでも骨折しやすい特徴があります。ステロイド性骨粗鬆症の治療薬のエビデンスとして既存骨折、50才以上、プレドニン量が5mg以上、骨密度若年平均80パーセント以下があると予防薬を投与することを日本でも推奨されています。ビスフォスフォネート製剤のアレンドロネート、リセドロネート、ゾレドロン酸投与は腰椎骨密度は軽度上昇か維持され、骨折の予防効果の論文があります。デノスマブの治療効果は現在研究中とのことで、フォルテオ皮下注射3年の治療効果は骨密度上昇率が高く、脊椎椎体骨折の予防効果も非常に有効という結果が報告されています。最近の米国リウマチ学会のステロイド性骨粗鬆症のガイドラインでは、3ヶ月以上のステロイド治療患者では、まず骨折の危険性を分類して、40才以上でプレドニン2、5mg以上を3ヶ月以上服用される場合、低リスクではカルシウムとビタミンD3を内服すること、中リスクではビスフォスフォネート製剤、高リスクではビスフォスフォネート静注に加えてフォルテオが推奨されていました。関節リウマチの骨粗鬆症の病態は高サイトカイン状態 、ステロイド、などが重なって生じます。先生の関節リウマチの骨粗鬆症に対するフォルテオの有効性についての研究結果では腰椎骨密度は二年で12パーセント、大腿骨近位では5パーセント上昇したそうです。又フォルテオの有効性の予測因子として投与後半年の腰椎骨密度上昇率が高いと大腿骨近位の骨密度上昇率も比例し、二年後の上昇率が高いという結果でした。大腿骨頸部の骨密度ではリウマチの炎症症状が抑えられている方が上昇率が高いという結果も示されました。生物学的製剤投与例では腰椎骨密度や大腿骨近位骨密度は上昇率は低いという結果も教えて頂きました。又フォルテオ後の治療選択として腰椎骨密度は二年後ビスフォスフォネート製剤でもデノスマブでも骨密度は上昇するのですが、大腿骨近位の骨密度は上昇率は低いのですが二年後ビスフォスフォネート製剤よりデノスマブの方が上昇率は高いとのことでした。
次いで聖路加病院の岡田先生の乾癬性関節炎の診断と薬物治療についての講演を拝聴しました。乾癬性関節炎は男性では関節リウマチより若年発生で関節リウマチの血液検査が陰性の場合に髪の毛の生え際の頭皮をみると乾癬の皮膚疾患が判るそうです。喫煙と肥満が危険因子で人口の7-14パーセントいて増加傾向にあるそうです。乾癬性関節炎の10パーセントは関節疾患が先に出るそうで腱付着部炎があると指全体が腫れることで関節リウマチと鑑別できるそうです。爪病変もあり、リウマチ抗体検査は陰性であることなども特徴です。治療薬は消炎鎮痛剤、免疫抑制剤、生物学的製剤を使用しますが症状が増悪することがあるためステロイドは使用しないそうです。IL17を抑える薬が効果が高く、トルツという生物学的製剤などが皮膚症状と関節症状の両者に著効するそうです。
山口県医師会健康スポーツ医学実地研修会
2017/07/01
山口県医師会健康スポーツ医学実地研修会が7/1山口県医師会館で行われました。当院の理学療法士も参加してくれました。慶應義塾大学スポーツ医学総合センターの松本秀男教授のストレッチングの理論と実際という講演を拝聴しました。
ストレッチとストレッチングの使い方の違いは特にないそうです。ストレッチングの定義は筋肉を伸ばすこと、筋トレの定義は筋肉の収縮を繰り返すことで筋肉を肥大化することで、可動域訓練は関節の動きをよくすることです。ストレッチには静的と動的ストレッチ、バリスティックストレッチに分類されます。ストレッチングの効果は柔軟性の向上、怪我の予防、パフォーマンスの向上、疲労回復、リラクゼーションなどの効果がありますが、エビデンスの検証が必要です。慶應大学では臨床研究により静的ストレッチングで筋の厚さは減少し、筋の硬度は大きくなり、ストレッチング直後は有効であることをエコーのエラストグラフィーで証明されました。ストレッチングを毎日行うことが有効か?をピラティスとレジスタンストレーニングのみ行う群と比較した結果、両者ともインナーマッスルの腹直筋の筋肥大、柔軟性が得られましたがアウターマッスルの筋肥大、皮下脂肪、柔軟性、運動自体の意識の変化(達成感など)はピラティスの方がいい結果でした。又相撲力士の四股踏みをモーションキャプチャーを用いて科学的検証をした結果、股関節周囲筋のストレッチングの効果がありました。スポーツ外傷と障害の違いについてわかりやすく解説して頂きました。
次いで実地研修として慶應義塾大学スポーツ医学総合センターの健康運動指導士の堀澤先生の中高齢者に対するストレッチング指導の実際について研修がありました。健康運動指導士は全国で18000人いるそうで、理学療法士、アスレチックトレーナーの中間に位置するそうです。最初にレクチャーがあり、一分間の背伸びを毎日30日行うことで副交感神経活動を亢進する(リラックス効果高まる)という論文があります。身体不活動が世界の死因の第四位という論文があるように、運動と生活活動を合わせて身体活動と定義されています。アクティブガイドによる振り分けも紹介されました。ストレッチングは身体活動の低強度に分類され、有酸素運動(メタボの予防)、レジスタンス運動(ロコモの予防)、ストレッチングを組み合わせます。中高齢者のストレッチングの目的は柔軟性を高めて関節の可動域を上げることで日常生活動作の向上とQOL(生活の質)の向上です。生活動作における関節の可動域には膝と股関節の可動域が重要になります。ストレッチングの強さ、姿勢などはエビデンスがなく、高齢者においては最低週二回、中強度で大きな筋肉の静的ストレッチングが好ましいということで、ストレッチングの時間は一回20-30秒程度で痛みのない範囲で回数は1-3回行うことを勧められていました。その後実地研修があり実際にストレッチングをしながら学びました.
祝!ハンターハンター連載再開
2017/06/28
Kスタジオ1周年打ち上げ会
2017/06/28
山口公演が第1回目ということで来年も6/24にあるそうです。特に腹筋をしながらのドラムはきつそうでしたが筋肉増強にはいいですね。
誕生日前日の嬉しかったこと
2017/06/25
写真はスタッフが作ってくれた作品です。