院長ブログ – ページ 100
フットケア技術講習会
2017/09/19
フットケア神戸セミナー
2017/09/19
9/17神戸で日本フットケア学会神戸セミナーに参加しました。ランチョンセミナーで西田壽代先生の「足から紐解くココロ、ココロから詠み解く足」という演題を拝聴しました。西田先生はフットケア指導士認定テキストの著者でもあり、フットケアの先駆者でもあります。足は潜在意識が現れやすいところであり、無意識の足の状態から隠れた病気を紐解くこともできるよう意識することが必要とのことでした。足に触れることはココロに触れることであり、ココロあるケアをするとケア自体への信頼が高まり、プラセボ効果をうまく利用することをお話されました。次いで下北沢病院足病センターの菊池先生の一歩進んだフットケア〜なぜそこに胼胝が出来るのか?〜の講演を拝聴しました。胼胝は皮膚の角質層が肥厚した状態であり、足首の関節の動き、足のアーチ、蹴り出しは?足部の変形、履物の問題が考えられます。足底圧は重力の床反力であり、歩行運動は地面からの反力を適切な圧に変え、前に進むことであり、踵接地(ヒールロッカー)から足関節を底屈させ(アンクルロッカー)前足部を踏ん張って(フォアフットロッカー)蹴り出します。アーチの変化として加重時距骨下関節の回内回外があります。回内で扁平足化し回外でハイアーチ化します。胼胝は歩行における足底圧の歪みであるので同じ環境下では何度でも発生するのでオフローディング(歩行環境の改善)する必要があります。足趾間や内外側の病変は靴による影響を考えます。前足部の胼胝は足関節の可動域制限と関連があり、第一足趾の胼胝は第一足趾MP関節の可動域制限距骨下と関連があります。第1、5中足骨MP底側の胼胝は回外、ハイが原因アーチ、第2-4足趾MP底側の胼胝では扁平足が原因とのことでした。胼胝の防止にはオフローディングが必要あり靴の中を見ることなどチェックポイントを解説していただきました。フットポスチャーインデックスに基づきライブで距骨下関節の回内回外、扁平足の見方など教えていただきました。最後に手術についてはアキレス腱延長術などの足関節可動域の改善と骨の変形矯正(中足骨骨頭切除など)、装具の選択などを解説していただきました。
最後に神戸大学形成外科の寺師教授の静脈うっ滞性潰瘍の病態、治療、予防の講演を拝聴しました。静脈うっ滞性潰瘍とは静脈の還流障害が原因です。動脈は心臓がポンプですが静脈は下腿の筋肉がポンプになり第二の心臓とも言われています。深部が8割で中年女性に多く、大伏在系穿通枝が8割、リウマチ患者に合併しやすいと言われています。弾性ストッキング包帯使用が再発予防に重要です。弾性包帯は足関節付近の圧迫圧を高くして上ほど圧迫圧を低下します。慢性静脈不全症にCEAP分類があり静脈が4mm以上であると静脈瘤で、C5、6が潰瘍になります。PAD(閉塞性動脈硬化症)が2割合併するのでABIの検査も必要とのことでした。静脈うっ滞の検査にはduplex scan(静脈エコー)が必要です。再発率はストッキングを履いても3割あり、履かなければ100パーセント再発します。潰瘍の治療は浸出液が創周囲に漏れると皮膚炎を起こしやすいので適切なドレッシングが必要とのことです。圧迫包帯は足関節から大腿まで同じ張力で巻くといいそうです。手術前後の深部静脈血栓症の予防としての弾性ストッキング装着が閉塞性動脈硬化症が合併している場合があるので足背動脈、後脛骨動脈を触知するか?をチェックする必要があるとのことでした。
エコー下筋筋膜リリースとコンディショニング
2017/09/11
運動器疼痛を考える会の座長をしました
2017/09/08
懇親会の際に当院の理学療法士の中田も一緒に写真撮影させていただきました。山口大学整形外科田口教授も一緒に写っていただきました。
サインも達筆で見習うところが多々ありました。
ゴールドジム山口宇部店の内覧会
2017/09/08
平成29年度公認スポーツドクター養成講習会応用科目2日目その3
2017/09/03
早稲田大学の金岡恒治先生のスポーツと海外遠征についての講義を拝聴しました。
チームファシリテーション(チームの為にサポートを行うという意識の共有)が欠かせず、メディカルチェックの結果の共有が必要とのことでした。医師として活動するための手続きが必要で、出発前のメディカルチェック、感染症・予防接種(渡航先での情報をFORTH:http://www.forth.go.jp/から得る)、携行医薬品、渡航による諸問題(ロングフライト血栓症ー以前はエコノミークラス症候群と言われていましたが名称が変更されたそうです)、現地での対応を順に解説していただきました。ドーハアジア大会、北京オリンピックでは医務室に急性上気道炎、皮膚疾患、急性胃腸炎、アレルギー性鼻炎、下痢、便秘などが多かったそうです。静脈内注射は6時間あたり50mlを超えることは禁止されているそうです。
最後に産業医大若松病院整形外科教授の内田宗志教授のアスリートの股関節痛の診断と治療戦略という講義がありました。アスリートの股関節痛に対する包括的アプローチとして機能的、器質的、環境的アプローチを駆使して患者さんをリスペクトして丁寧に診察し、解剖学的なレイヤーアプローチを行う必要があります。筋骨格系以外の原因として安静時痛が特徴の閉鎖裂孔ヘルニアに注意が必要とのことでした。骨軟骨レイヤーとしてFAI(femoavetabular inpinjiment)と寛骨臼形成不全が代表的です。アスリートには比較的FAIが多いそうです。FAIには臼蓋側が出っ張っているピンサータイプ、大腿骨側が出っ張っているために生じるCAMタイプがあります。無症状では10-30パーセントぐらいですがアスリートには70-90パーセントと高率とのことでした。関節唇損傷が原因でに関与しており、骨形態異常のサインであるそうです。筋肉の付着部で筋肉の収縮により疼痛では、上前腸骨棘、下前腸骨棘、坐骨結節、恥骨結合、大転子、小転子などに生じMRIでストレスのかかる筋肉の付着部の骨に信号変化が生じます。リハビリで疼痛改善しない場合には股関節鏡視下の手術を行います。術後2-3ヶ月のリハビリ後にスポーツ復帰させるとのことでした。
平成29年度公認スポーツドクター養成講習会応用科目2日目-2
2017/09/03
続いて大阪体育大学の土屋先生がメンタルトレーニングについて講義されました。アスリートの競技力向上のためには心技体が重要で心理面でのメンタルトレーニングが必要であり、メンタルトレーニングとはアスリートに対して競技、試合での実力を発揮に役立つ様々な心理的スキルを指導することで、注意集中のスキル、競技意欲を保つスキル、自信向上のスキルなどがあり、心理技法として目標設定技法、リラクゼーション技法、イメージ技法などがあり、チームに帯同するスポーツドクターにはアスリートの実力未発揮に関して助言を求められることもあるのでその知識も必要であるとのことでした。先生の関わっておられるバスケットボールの長身の選手を全国から集めるビックマンプロジェクト、レスリングのインテリジェンスプログラムや女性トップアスリートへの心理サポートなども紹介されました。スポーツは人格形成に良い影響を及ぼすか?という問いにスポーツマン的性格として思考的特徴として外交的、行動的特徴として活動的、情緒的思考として安定しているという研究結果があるそうですが、もともと社交的な子供がスポーツに参加しているという反対意見もあり、スポーツをすれば良い性格になると考えるのは短絡的で、スポーツが子供にとってどのような体験であるかが重要であるそうです。代表的な心理テストとしてのPOMS、スポーツではPCI(心理的コンディションテスト)、DIPS(心理状態診断テスト)、CSAI(競技状態不安テスト)を紹介されました。集中力でも広い範囲で自分以外の外的な切り替えの注意が必要であり、メンタルトレーニングで改善するそうです。メンタルトレーニングの進め方としてのアセスメント→心理技法の学習→評価をすることをお話されました。目標設定の方法として、こうなったらいいなと思うようにして今シーズン、来年度、5年度、10年度などの目標設定(競技の目標と人生の目標)をしてもらうと取り組む気持ちが変わってくる事例をお話されました。アスリートに必要なこととしてデュアルキャリア、イメージチェックとして外的イメージと内的イメージを切り替えること、実力を発揮するためのイメージ条件として鮮明であること、思い通りの統御性、視覚、筋感覚、感情、臨場感をもつ体験的イメージがあるそうです。
前国立スポーツ科学センターの川原先生のスポーツによる内科的障害についての講義がありました。運動後の急性腎障害には筋肉の融解によるミオグロビン尿性(尿が茶褐色)の腎不全と非ミオグロビン尿性の腎障害があり、10-20代で激しい運動後の腰背部痛、嘔吐などがあるときに疑い、尿酸トランスポーターの異常の場合があるそうです。水中毒による低ナトリウム血症として長時間の競技で水の過剰摂取、塩分の摂取不足が原因でこむらがえり、意識障害、全身痙攣、肺水腫、呼吸困難などの症状が特徴です。運動誘発アナフィラキシーで食後の運動で誘発され、ショックになることもあるそうです。スポーツ選手の貧血は鉄欠乏性が多く、軽度でもパフォーマンスに影響があり、鉄剤の内服で改善後も2-3ヶ月は服用する必要があります。ピロリ菌が関与するケースもあるそうです。オーバートレーニング症候群は一種の慢性疲労であり、持久系競技(長距離選手、クロスカントリーなど)に多く、トレーニングによる疲労と回復のアンバランスによる適応不全が生じているので性格にも注意して長期計画で徐々に強度を増やすことだそうです。高強度の運動での高尿酸血症は筋力、パワー系の選手に多く、尿酸値9以上では治療が必要とのことでした。女性アスリートの無月経は女子マラソン選手に多く、疲労骨折を生じやすく、摂食障害、低栄養状態と合わせて女性アスリートの3兆候と言われています。気管支喘息はトップアスリートに多く、13パーセントという報告もあり、治療していない競技者も多いそうです。
日本体育協会公認スポーツドクター養成講習会応用科目に参加しました二日目
2017/09/03
平成29年度公認スポーツドクター養成講習会応用科目2日目です。
筑波大学の渡部先生のドーピングコントロールの実際の講義が最初でした。レベル1として世界共通のアンチドーピング規定があり、レベル2として禁止表、治療使用特例、ドーピング検査及びドーピング捜査、プライバシー及び個人情報の保護、分析機関という5つの世界基準があり、レベル3のガイドライン・モデルルールという世界アンチドーピングプログラムが存在し、特に禁止表は毎年改訂されるので常に最新の情報を見ておく必要があります。ドーピングコントロールは世界ドーピング防止機構(WADA)に則って実施され、国内競技大会では日本ドーピング防止機関(JADA)が検査の実施(検体採取、分析)を行います。検体が陽性の際に治療使用特例(TUE:therapeutic use exemptions)の確認を行います。ドーピング検査の手順は定められた通りに行い、シャペロンとドーピングコントロールオフィサー(DCO)が必要で、DCOは同性で尿のすりかえなどの不正を防止する為に排尿状態を直後確認します。尿量は90ml以上、比重が1、005以上になるまで採取するそうです。(飲水によって尿が薄まることを防止する為)2014年のドーピング検査での陽性率は世界で1、11パーセント(3153例)で、日本では0、3パーセント(19例)でした。検査陽性で意図的でない場合は2年間の資格停止、意図的な場合4年間の資格停止になり、3回違反すると永久資格停止になるそうです。検者が居場所情報を提出しなかったり、スケジュールの中に60分の時間枠を設定せずに実施できない場合には居場所情報関連義務違反になるそうです。TUE申請にスポーツドクターが申請する際の注意点についても教えていただきました。ドーピング検査全般について詳しく勉強できました。
JADAのHPも教えていただきました。