単純X線検査と医療被曝について

単純X線検査はX線を使用して身体を撮影し、病気の診断を行う検査で、検査時間は撮像部位や病気の種類によって異なりますが、約5~10分です。前述したようにX線撮影では放射線を用いるため、少なからず被ばくを受けます。従って、検査の必要性が被ばくのリスクを上回ると考えられる場合のみ検査が実施されます。当院では、法令や関連学会のガイドラインに基づき、放射線による被ばくが必要最小限になるような条件で検査を行っています。また、当院での検査における放射線量は、医療被ばく研究情報ネットワークの診断参考レベル(DRLs2020)以下となるように取り組んでいます。単純X線検査における日本での診断参考レベルの一例と当院で初期設定している成人撮影条件について、NDD表面線量簡易換算式を用いて被ばく線量を求めた結果を下表に示します。 診断参考レベルに準じた検査を行っていれば、一般的には放射線被ばくによる影響はほとんどないと考えられています。また、発がんのリスクにおいても、食事やストレスなどの放射線以外の因子によるものと区別できないと言われています。 なお当院の被ばく線量の値は、標準的な体形の方を想定し初期設定した撮影条件から求めた値であり、実際には、患者さんの体格によって撮影条件を変化させる事から、それにともない被ばく線量も増減しますが、日本における診断参考レベルの値を超える事はありません。以上、簡単にX線検査と医療被曝について記述させて頂きましたが、来院されて、ご不明な点が有りましたら、スタッフにお問い合わせください。 診療部門(診療放射線技師、看護師)