次いで私が座長で福島県立医科大学整形外科主任教授の紺野慎一先生の神経障害性疼痛に対する新たなステージを拝聴しました。紺野教授は日本だけでなく世界でも腰痛の分野の第一人者です。
痛みの定義が非器質性疼痛、神経障害性疼痛、侵害受容性疼痛に分けられ、被気質的疼痛が痛覚変調性疼痛という言葉に統一されたこと、炎症性サイトカインが慢性疼痛の原因物質となること、神経障害性疼痛は慢性疼痛の20%を占めるが脊椎由来の神経障害性疼痛を同定するためにSpine Pain DECTというツールを開発された経緯もお話しされ、慢性疼痛患者は脳の海馬など萎縮するが、認知行動療法により萎縮が改善することも教えていただきました。また福島県立医大で以前から行われているチーム医療の橋がけであるリエゾンカンファレンスを行われていること、痛みセンターを全国に広げる取り組みについてなど、多岐にわたるお話を聴かせていただきました。