2022年本屋大賞に逢坂冬馬氏の「同志少女よ、敵を撃て」が選ばれたというニュースを聞いて気になっていましたが、2021年11月発売当初から話題を呼んでいるそうですが、今回私は本ではなくオーディブルで聴きました。第二次世界大戦時のドイツとロシアとの戦争中に目の前でドイツ軍兵士に家族や地域の住民を殺害され、唯一生き残ったロシア人少女セラフィマがドイツ兵への復讐のため、過酷な訓練を受けて女性狙撃兵となり、女性狙撃兵によるチームで戦場に駆り出され、様々な戦場での現場を経験して狙撃兵としての葛藤と苦難を乗り越えていくストーリーですが、ウクライナへのロシア軍の侵攻の時期と重なり、戦争のもたらす弊害についても考えさせられる小説でした。女性の目線から戦争に向き合い、祖国のため、家族、一族を殺された復讐のためドイツ兵の狙撃を冷静に遂行するセラティマが最後に撃った敵とは誰だったのか?聴きながら映像が目に浮かんできて、非常に感銘深い作品でした。
小説の最後に出てきたスヴェトラーナ・アレクシエーヴィチの「戦争は女の顔をしていない」という小説も興味が湧き、現在オーディブルで聴いています。