腰椎椎間板ヘルニアの絶対的手術適応

腰椎椎間板ヘルニアで絶対的手術適応として進行する下肢麻痺と膀胱直腸障害があります。特に緊急性が高いのが膀胱直腸障害です。腰痛と下肢の痛みに加えて排尿困難、特に排尿したくても出ないことを尿閉と言いますがそうなれば夜間でも緊急手術の適応になります。肛門周囲の知覚(特に痛覚)が低下、消失も同時に合併します。私も脊椎外科医時代に何人か手術しましたが感覚が戻る場合と戻らない場合があり、その場合には自己導尿(自分で管を入れて排尿)する必要がありますので、開業医になってからも腰椎椎間板ヘルニアの患者さんの診察治療の際は注意して診療しており、そのような場合には脊椎外科専門医に紹介しています。

この記事を書いた人

とよた整形外科クリニック 理事長

豊田 耕一郎

山口大学医学部、山口大学大学院卒業後山口大学医学部附属病院、国立浜田医療センター、小野田市立病院、山口大学医学部助教、講師を経て山口県立総合医療センターで脊椎手術、リハビリ部長を兼任後、2012年4月からとよた整形外科クリニックを開院。
専門性を生かした腰痛、肩こりの診断、ブロック治療、理学療法士による運動療法、手術適応の判断を迅速に行うことをモットーとし、骨粗鬆症、エコーによる診断、運動器全般の治療に取り組んでいます。