11/27 18時からウェブでの臨床整形外科医会のウェブ講演が有り、徳山中央病院整形外科の山本先生の転移性脊椎腫瘍のトータルマネージメント〜癌診療における整形外科の役割〜を拝聴しました。肺がんは早期に転移しますが乳がんは進行とともに転移するそうです。脊椎転移の診断治療は以前は出たとこ勝負であり患者も医師も症状が出てから治療していましたが、四国がんセンターでは放射線医が転移が見つかると整形外科に報告相談し放射線治療、手術などを早期に検討することで予後が上がるそうです。
脊椎不安定性の評価であるSINSで不安定性がある場合、生命予後システムで予後が3ヶ月以上ある時、脊椎手術のリスク評価(RAT,ACS,SpineStage)で総合的に手術適応を判断することを示されました。手術の低侵襲のためのハイブリッド手術室、経皮的椎弓根固定術を併用したMist、術後の早期離床の工夫(アセトアミノフェン静注、ファンタニールなど)を提示されました。徳山中央病院は岡山大学と協力してがん遺伝子パネル検査や遺伝子治療を行っておられるそうです。原発不明がんの診断治療としてのキャンサーボードの介入、QOLの数値化(EQ5D)など脊椎転移の診断から治療において非常に勉強になりました。最後に転移性脊椎腫瘍の早期発見と低侵襲手術により歩行能力の維持を目指すという言葉が印象に残りました。