第2回宇部市医科歯科連携研究会

2/6宇部市多世代ふれあいセンターで第2回宇部市医科歯科連携研究会に参加しました。松本歯科大学松本教授の「薬剤関連顎骨壊死のポジションペーパー2023の解説」がありました。顎骨壊死ポジションペーパー2023の詳しい解説として顎骨壊死の本態は骨壊死というより歯性感染症から波及した骨髄炎であることを強調されました。顎骨壊死の発生頻度は呉市などの論文からから0.1%であり台湾に次いで多いとのことでした。前回のポジションペーパーが骨吸収抑制剤使用中に抜歯する時に予防的休薬を推奨していたのが今回予防的休薬は原則不用であるということ、骨粗鬆症治療前あるいは治療後速やかに歯科紹介して医科歯科連携をする(口腔の感染源の除去)という2点が重要であるとのことでした。医科歯科連携を妨げる因子として情報共有の欠如、連携のキーマンの不在、患者教育(歯科医の減少)があり今後の検討課題であるとのことでした。 次いで大阪医科薬科大学口腔学植野教授の「薬剤関連顎骨壊死の病態と管理」を拝聴しました。重症化する顎骨壊死で自然発症(原因不明)が15%あるががんや糖尿病など全身状態が不良なケースが多いとのことでした。骨吸収抑制剤を使用変更することを歯科医に知らせるような医科歯科連携が重要とのことでした。 山口市でも骨粗鬆症病診連携協議会を立ち上げており今後の参考にしたいと思います。

この記事を書いた人

とよた整形外科クリニック 理事長

豊田 耕一郎

山口大学医学部、山口大学大学院卒業後山口大学医学部附属病院、国立浜田医療センター、小野田市立病院、山口大学医学部助教、講師を経て山口県立総合医療センターで脊椎手術、リハビリ部長を兼任後、2012年4月からとよた整形外科クリニックを開院。
専門性を生かした腰痛、肩こりの診断、ブロック治療、理学療法士による運動療法、手術適応の判断を迅速に行うことをモットーとし、骨粗鬆症、エコーによる診断、運動器全般の治療に取り組んでいます。