帯状疱疹予防セミナーイン山口

4/4 かめふくオンプレイスでシングレックス帯状疱疹予防セミナーイン山口に参加しました。おおどの診療所の吉兼先生の帯状疱疹の病態と疫学を拝聴しました。帯状疱疹の発症年齢は50才以上が66%で皮膚症状と神経症状が特徴的で下肢痛が17%を占めるので整形外科でも神経痛と鑑別が必要です。免疫機能が低下していると帯状疱疹が重症化リスクが高いとのことでした。宮崎スタディによると発症率は年々増加し80才までに3人に1人が経験します。夏に多く、再発が6.4%で60-70才で多いとのことでした。

次いでピーエスクリニックの都留先生の帯状疱疹と予防ワクチンのefficacyとeffectivenessを拝聴しました。ワクチンの有効性が70%というのはワクチンを打って罹患した人と打たなくて罹患した人の差であるとのことでした。(ワクチン打ってない人の70%は接種していれば発病しなかった)

ワクチンの有効率を調べる方法にコホート研究、症例・対照研究があること、抗体価により判断する方法の注意点も教えて頂きました。efficacyeffectivenessの違いは前者は無作為比較対照試験であるのでエビデンスが高く、試験によって結果が反対になることもあるので注意が必要とのことでした。帯状疱疹アジュバント(リコンビナント)ワクチンは安全性も比較的高いワクチンであるとのことでした。帯状疱疹後神経痛は日常生活が障害され三叉神経、顔面神経も障害されます。悪性リンパ腫や自己免疫性疾患、糖尿病などは発症率が高く、薬剤ではTNF阻害薬、JAK阻害薬は発症リスクが高く免疫抑制剤使用している方は生ワクチンは禁忌であり注意が必要です。生ワクチンは5年で有効率が5割であるのにリコンビナントワクチンは5年で90%前後、10年で80%前後の有効性があり性別年令人種による差はなく、自己免疫性疾患でのリコンビナントワクチンの有効率は70%前後とのことでした。

当院でも帯状疱疹ワクチン予防接種を行っているので大変勉強になりました。

この記事を書いた人

とよた整形外科クリニック 理事長

豊田 耕一郎

山口大学医学部、山口大学大学院卒業後山口大学医学部附属病院、国立浜田医療センター、小野田市立病院、山口大学医学部助教、講師を経て山口県立総合医療センターで脊椎手術、リハビリ部長を兼任後、2012年4月からとよた整形外科クリニックを開院。
専門性を生かした腰痛、肩こりの診断、ブロック治療、理学療法士による運動療法、手術適応の判断を迅速に行うことをモットーとし、骨粗鬆症、エコーによる診断、運動器全般の治療に取り組んでいます。