10/12山口グランドホテルで関節リウマチの足部病変を考える会に参加しました。小郡第一病院整形外科の末富裕先生の外反母趾に対する手術治療の小経験を講演されました。外反母趾は中高年の女性に多い疾患です。変形は3次元的でX線での評価、装具などの保存的治療、手術治療について解説して頂きました。外反母趾高度の方、内転中足ほど再発率が高いとのことで再発率を少なくする工夫をされているとのことでした。
次いで倉敷中央病院整形外科の伊藤宣先生の関節リウマチによる足部変形への治療戦略を拝聴しました。関節リウマチの足病変はリウマチ病変の4割以上と多い病変でリウマチの薬物治療の進歩により手術件数は減ったのですが足病変の手術は減少していないそうです。リウマチの寛解状態でも足部の滑膜炎は残存していることも多く後の関節破壊につながるとのことでした。京都大学の調査でリウマチの前足部病変は78%もあり外反母趾変形では底屈制限が多いとのことでした。後足部の病変は外反足が比較的多く、距骨下関節病変の方が足関節病変より先に生じることが多く痛みも早く来しやすい、後脛骨筋腱不全、関節滑膜炎、腱鞘炎もきたしやすいとのことでした。海外では扁平足という用語がprogressive collapsing foot deformityという用語に変更されること情報も教えて頂きました。手術治療については前足部、後足部の手術に分けて教えて頂きました。以前から多く行われていた中足骨切除関節形成術は再発が多い傾向があり、関節固定術は再発は少ないが可動域が制限され、最近多く行われている関節温存手術は骨切りと軟部組織手術の追加が必要であること、関節拘縮の強い場合は注意が必要であることも教えて頂きました。後足部手術では足関節と距腿関節を同時に固定はなるべく避けることが望ましく、人工足関節置換術は再手術が比較的多く適応は慎重に行うこと、新しい人工関節(TM関節)、人工距骨を併用した人工足関節も紹介されました。