5/22クリニック終了後に慈恵医大整形外科の斎藤先生のウェブ講演を拝聴しました。
海綿骨骨は新陳代謝が盛んで年間40パーセント、皮質骨は年間5-7パーセント入れ替わる、何歳であっても治療介入一年で骨折予防効果は50パーセント以上であるとのことでした。
骨強度=骨密度(70パーセント)低下プラス骨質(構造)(30パーセント)であり、ビスフォスフォネートで骨密度増加しても椎体骨折が発生したり、骨密度正常でも骨折する骨粗鬆症があり、生活習慣病(DM,CKD,COPD,)では骨密度が高くても骨折することを念頭におくことが重要です。
骨皮質 は鉄筋コンクリート に例えられ、鉄筋はコラーゲン、コンクリートはミネラルになります。
未熟成熟架橋 =善玉架橋、老化架橋=悪玉架橋AGE (ペントシジン )=錆サビ と言われており、加齢と共にAGE増加 して過形成(硬くて脆い)され、コラーゲン架橋 鉄筋=足場 異常起こるとアパタイト配列異常が生じます。エストロゲン欠乏すると 骨吸収亢進 プラス酸化ストレス亢進します。
骨折患者は未熟成熟細胞の低形成プラス老化型AGE架橋の過形成(過剰に老化したコラーゲン)、活性酸素増加と酸化ストレス増加して
悪玉善玉架橋の解離が大きいほど骨折しやすいとされます。現在骨質マーカー として血中ホモシステインと血中尿中ペントシジンがありますが保険適応外です。
日本人は低骨密度型5:骨質劣化型3:低骨密度+骨質劣化型2の比率であり、DM HbA1c7、5以上
腰椎・大動脈石灰化スコアリングACS6以上 (2椎体以上)は骨質劣化の指標になるそうです。
FRAXプラス骨質マーカーの 尿中ペントシジン高値で早期治療の適応を決定することも将来可能だそうです。
薬剤の中でSERMは骨吸収抑制作用はマイルドだがビスフォスフォネート製剤と同等の骨折予防効果プラス骨質劣化要因(酸化ストレス、ホモシステイン)を改善できるとのことでした。