3/15クリニック終了後に、いつのまにか骨折を考える会が松政であり、クリニック終了後参加しました。梅澤医院整形外科梅澤香貴先生の「いつのまにか骨折発見における開業医の役割」という講演でした。女性は人生の7分の1を寝たきりで過ごしているというデータを示され、骨粗鬆症の患者が世界で2億人と言われ、治療を受けているのは1/3ということです。大腿骨近位部骨折は全世界的には減少していますが日本は増加している現状です。先生のクリニックでは女性で55歳以上、男性で70歳以上で骨粗鬆症検査(DEXA、脊椎X線、身長計測、骨代謝マーカー)をお勧めされるそうです。X線検査ではSQ法で判定し、薬物治療開始基準は2015年の骨粗鬆症の予防と治療ガイドラインに沿って判定されるそうです。身長計測で若い頃の身長より4cm以上低下すると骨折の既往を強く疑います。骨代謝マーカーでは当院と同じTRACP5bとP1NPを測定されるそうです。骨粗鬆症の治療目標として脆弱性骨折を防ぐことですが、二次性骨折を防止することも重要です。骨粗鬆症性新鮮椎体骨折には骨癒合促進の為にテリパラチドを積極的に勧められるとのことでした。骨粗鬆症は骨の生活習慣病とも言われ、予防としてエビデンスがあるのは薬物治療のみですので積極的に薬物治療を勧めているそうです。ビスフォスフォネート製剤が標準的治療ですが近年顎骨壊死(ARONJ)の発生リスクがあるとのことで歯科に紹介状を書いて連携すること、腎機能低下例ではeGFR 低下例では慎重投与することも教えて頂きました。骨粗鬆症治療のゴールドスタンダードとして重症骨粗鬆症では骨形成促進剤を投与後にから骨吸収抑制剤を使用することを推奨されました。フォルテオとテリボンの違いを骨代謝マーカーからみるとフォルテオは骨形成刺激剤でテリボンは骨代謝調整剤という位置づけであるとのことでした。P1NP が3ヶ月以内に10上がらないと注射手技の見直しや冷蔵庫での保管方法の見直しなどをして変更することもあるそうです。重症骨粗鬆症とは最近は年齢に関係なく脆弱性骨折を生じる疾患と言われているそうです。H26.9から現在まで98例フォルテオ導入されたそうです。フォルテオ導入は開業医こそ積極的に導入するベきという強いメッセージを残され、共感できました。