第8回山口県運動器疼痛を考える会があり参加しました。JA広島総合病院整形外科脊椎脊髄センターの山田先生の骨粗鬆症性椎体骨折の治療法〜BKPの至適介入について〜講演を拝聴しました。年間BKPで100例以上手術されているそうです。2003-2010年までは先進医療として椎体内セメント注入をされた後2011年からBKPをされているという歴史があるとのことでした。近年糖尿病などの生活習慣病に骨質の低下による骨粗鬆症が関与していることがわかってきました。椎体骨折は約2/3がいつのまにか骨折であると言われています。椎体骨折による続発症として後弯が進行することによる胃食道逆流症など引き起こし生命予後を短くするとされ、早期発見早期治療が必要です。骨粗鬆症性椎体骨折の保存療法で30パーセントが偽関節となる論文もあります。椎体偽関節や遅発性神経麻痺が手術適応になりますが金属を後方から固定する中間の治療として経皮的バルーン後弯矯正術がBKPです。先生の施設では受傷後4週で疼痛が4/10以上あり座位と臥位での椎体不安定性が5度以上で適応とされているとのことでした。治療成績は術後1週間で有意に疼痛が改善したとのことでした。合併症としてセメントが静脈に漏出、それによる肺塞栓症が最も重篤とのことです。造影剤を注入して静脈に漏出した場合はセメントを注入しないようにするそうです。又隣接椎体骨折が術後1ヶ月以内に生じることが多いそうですが骨粗鬆症が高度、椎体不安定性が大きい方に多いそうです。又骨粗鬆症治療をされていない患者さんも多いとのことでした。脊椎固定術の適応は胸椎腰椎移行部と中位腰椎の骨折が多いそうですが中位腰椎では椎体の圧壊が大きいので椎体置換術も必要になることが多いそうです。