ラグビードクターセミナーイン山口

10/13ラグビードクターセミナーイン山口が山口グランドホテルでありました。さっか整形外科クリニックの目院長の変形性膝関節症における貼付剤の使い方のミニレクチャーがありました。
次いで村上外科医院整形外科の村上院長先生のスポーツ現場におけるピッチサイドケアという講演を拝聴しました。村上先生はラグビー日本代表のチームドクター経験もあり、スーパーラグビーのサンウルブズのチームドクターもされており、スポーツドクターとしてのご経験も豊富です。Imediate Care In Sports(ICIS)レベル3をお持ちです。2015年ラグビー日本代表が南アフリカに勝ったことを契機にサンウルブズのチームドクターを務められた経緯もお話しされました。最初に2011メディカルサポートについてお話しされました。メディカルケアでは疾病傷害予防としてGPS、ハートレートモニターを選手に装着してトレーニングによるオーバーユースを防止し、コンディションセルフチェックをスマホのアプリで選手が入力するそうです。マスク着用や手洗いも徹底し、深部静脈血栓症予防で尿比重をチェックしたり、着圧ソックスも移動の飛行機の中で装着するそうです。傷害に対する早期診断、早期治療として傷害発生した時のプレー可否の判断(決断)し、MRIの予約をするそうです。蜂窩織炎や陥入爪の処置や歯牙損傷の処置など多岐にわたるそうです。ラグビー競技の特徴として外傷が発生しても競技は中断しないことがあり、試合中にドクターが競技場に入ることが許されます。脱水予防としての水分補給は点滴は50ml以上できないことから経口補水剤を適時するそうです。ドーピングは夜中にある場合もあり採尿するために水分補給したら夜眠れなくなったりするそうで、ドーピング対策には非常に神経を使われるそうです。又セルフコンディショニングが重要視し、自分でケアする習慣をつける意識を持たせるそうです。次いで脳震盪についてお話しされました。意識消失があるのは脳震盪の10パーセント以下だそうです。高校レベルでは脳震盪疑いがあれば硬膜外・下血腫の可能性が否定できないためやめさせるそうです。脳震盪を繰り返す場合セカンドインパクト症候群や慢性外傷性脳損傷の問題があり、NFLでの実話を映画化したConcussionという作品をお勧めされました。脳震盪予防ツールのSCAT5や段階的競技復帰のプロトコールがあります。脳震盪を見つけて為にホークアイというカメラが6台ありチェックしているそうです。選手の安全・健康・福祉をどう守るか?医師、監督、コーチが意識を共有する必要があるとのことでした。ラグビーでの重症外傷で頚髄損傷が22件あったそうです。スポーツでの突然死で野球が多いそうで心臓震盪が原因のことがあるそうですので現場では心肺蘇生とAEDのトレーニングは必須だそうです。日本で開催される2019ラグビーワールドカップがあるので是非皆で観に行きましょう。という熱いメッセージで終了しました。

この記事を書いた人

とよた整形外科クリニック 理事長

豊田 耕一郎

山口大学医学部、山口大学大学院卒業後山口大学医学部附属病院、国立浜田医療センター、小野田市立病院、山口大学医学部助教、講師を経て山口県立総合医療センターで脊椎手術、リハビリ部長を兼任後、2012年4月からとよた整形外科クリニックを開院。
専門性を生かした腰痛、肩こりの診断、ブロック治療、理学療法士による運動療法、手術適応の判断を迅速に行うことをモットーとし、骨粗鬆症、エコーによる診断、運動器全般の治療に取り組んでいます。