9/13山口グランドホテルで山口県運動器疼痛研究会があり理学療法士スタッフ三人と参加しました。北里大学整形外科の宮城先生の腰痛の科学ー椎間板を中心にーという講演でした。先生は千葉大出身で椎間板に関する実験や臨床データの論文を書かれています。最初に山口県腰痛スタディーについて紹介されました。椎間板性腰痛は39%という論文がありますが椎間板変性と腰痛は関連がないという論文もあります。和歌山大学整形外科のスタディでも椎間板変性単独では腰痛と相関しないが、週板変性が加わると腰痛と強く相関するということからメカニカルな要因が強く関係するということでした。また鼠蹊部痛も椎間板性があり第2腰神経根ブロックが有効である理由として交感神経幹の関与をお話しされました。椎間板内の線維輪が破綻して微小神経が侵入して来ることで椎間板性疼痛が誘発されるというdeep nerve ingrowthの機序を説明されました。慢性腰痛の病態解明に対する取り組みとして椎間板障害に動的負荷(メカニカルストレス)が加わることがトリガーとなり、M1マクロファージが炎症性サイトカインを産生して椎間板性腰痛が生じ、組織修復に関与するM2マクロファージがTGF-βを、椎間板内細胞がNGFを産生し疼痛を抑制する仕組みをお話され、NGFによる慢性腰痛の治験の取り組みもお話され、基礎から臨床まで勉強になりました。