日医かかりつけ医機能研修制度に参加しました〜その1

5/20 日医かかりつけ医機能研修制度平成30年度応用研修会のライブ中継が山口県医師会館であり、参加しました。最初に岡部先生のかかりつけ医の感染対策がありました。感染症とはうつる病気、広がる病気であるので正しく知っている必要があります。医療者は自分が感染源になってはいけないので院内感染予防、対策が重要です。手洗いは病気の感染経路を断つ為に非常に重要です。呼吸器感染症の発生も手洗いで減少させることができるそうです。飛沫感染は手洗いよりマスクのほうが有効です。標準予防策としては患者の体液は感染性ありと考えること、流水と石鹸による手洗いが最も大切です。SARSのような原因不明の感染症でも標準感染予防は有効です。エボラ出血感染も血液の接触感染とのことでした。医療職にとってのワクチン摂取は自分がうつること、人にうつすことを予防する為に重要です。インフルエンザは国立感染症研究所の発表などで動向を早く知ることは重要で今シーズンはB型が多かったそうです。インフルエンザ治療薬はタミフル、リレンザ、イナビルがありますが2月に新薬(ゾフルーザ)が発売されました。タミフルは10代の患者さんには飛び降りなどの異常行動があるので使用を禁止されていましたが撤廃の方向になるそうです。腸管出血性大腸菌感染症はO157,O11などが有名ですが原因の特定が難しい場合もあります。又梅毒が近年若年女性に増加しており無痛性潰瘍や手掌の湿疹など早期発見が重要です。風しんは診断後直ちに届けるよう感染法が改定されました。又急性弛緩性麻痺がある場合にも届出が必要があり15才以下ではポリオの検査もするそうです。今後東京オリンピックなどで海外からの感染症対策も重要です。
次いで松下先生の健康増進・予防医学を拝聴しました。健康とは肉体的、精神的、社会的に完全に良い状態で単に疾病がないという状態ではない、と定義されます。(1948)1978年にプライマリヘルスケア、1986年にヘルスプロモーションに変化しています。日本では健康日本21(第二次)が策定されました。日本人の死亡原因として喫煙、高血圧、運動不足の順であります。健康増進と予防医学のアプローチとして実施形態として健診や人間ドック、方法として予防接種、スクリーニング、予防目的として一次予防(発症予防)、2次予防(早期発見)、3次予防(進行予防とリハビリテーション)に分けられています。一次予防としては予防接種と禁煙、二次予防としては市町村単位での地域保健、三次予防としては医療機関での対応になります。ライフサイクルに応じたものでは乳幼児健診、学校健診、特定検診、職場健診があります。患者の行動変容のステージモデルとして無関心期、関心期、準備期、行動期、維持期、再発期があり、禁煙指導はニコチンパッチやバレニクリン保険適用となりました。重要度・自信度モデル、健康信念モデル(罹患性、重大性が本人にとってどの程度脅威になるか?)などを駆使して関心を持ってもらうこと、患者本人の健康アプローチでは健康感を聞くこと、栄養士による食事指導、低いゴール設定、ストレス対応能力の向上、地域での健康教育(講演)など教えて頂きました。

この記事を書いた人

とよた整形外科クリニック 理事長

豊田 耕一郎

山口大学医学部、山口大学大学院卒業後山口大学医学部附属病院、国立浜田医療センター、小野田市立病院、山口大学医学部助教、講師を経て山口県立総合医療センターで脊椎手術、リハビリ部長を兼任後、2012年4月からとよた整形外科クリニックを開院。
専門性を生かした腰痛、肩こりの診断、ブロック治療、理学療法士による運動療法、手術適応の判断を迅速に行うことをモットーとし、骨粗鬆症、エコーによる診断、運動器全般の治療に取り組んでいます。