10/29東京虎ノ門ヒルズでショックウェーブジャパン2017があり参加しました。
千葉大学の落合先生の講演が最初にあり、体外衝撃波は超音波と同じ圧力波の1種で非連続性の圧力波であるため局所で放出された熱エネルギーが血流を介して放散する時間があるので振幅を大きくしても安全性が損なわれにくく高エネルギーでの照射が可能であり、骨や石灰化など硬い組織に照射されると大きなエネルギーを放出するため骨関節組織に特異的に作用します。早期には除痛、マッサージ効果、遅発性には血管新生、腱新生、骨新生の効果が動物実験でも臨床の場でも期待できるそうです。次いで筑波大学の金森先生の下肢の障害に対する体外衝撃波治療について拝聴しました。体外衝撃波は下肢では腱付着部症などのオーバーユースによるジャンパー膝、アキレス腱付着部炎、足底腱膜炎や疲労骨折や骨折の遷延治癒に応用されていますがその臨床成績にはばらつきがあります。ジャンパー膝ではパラテノンや腱鞘の炎症と腱実質部の炎症の両者が関与しており、膝蓋腱の肥厚、膝蓋下脂肪体のSTIR信号変化がある場合には有意に成績が悪かったそうです。深部には衝撃波のfocusタイプが、浅層ではradialタイプが有効であろうとのことでした。PRP(多血小板血漿注入)との比較ではPRPの方が成績が良かったそうです。疲労骨折では早期癒合効果や有痛性の分裂膝蓋骨でも除痛効果があった症例を紹介されました。あさひ病院の伊藤先生が上肢の障害に対する体外衝撃波治療についての講演では、最初に座長の愛知医大教授の岩堀先生が自分の上腕骨外側上か炎に効果があったことを話されました。肩の石灰沈着性腱炎7例や上腕骨外側上か炎21例に使用された結果を報告されました。約50パーセントの有効率で、成績不良群は伸筋腱のMRIでSTIR高信号変化高度例でした。石灰層の縮小が50ー70パーセントに認めた報告があり、高出力の衝撃波に限って中等度のエビデンスがあるそうですが、腱板炎では集中型ではエビデンスがないそうです。有害事象としては上腕骨骨壊死の報告があり結節間孔を避けることが対策だそうです。上腕骨外か炎ではradialタイプでは有効との論文があるとのことでした。肘頭骨端線閉鎖不全や疲労骨折に対する有効例を提示されました。船橋整形外科の高橋先生が骨疾患に対する体外衝撃波治療について講演を拝聴しました。国際衝撃波学会で偽関節、疲労骨折、関節疾患を伴わない無腐性壊死、離断性骨軟骨炎に衝撃波が適応があると紹介されました。早期の大腿骨骨頭壊死に対して除痛には関与があるが壊死の改善はなかった報告や、特発性大腿骨内顆骨壊死の改善があった例、若年者の疲労骨折で特に難治性の中足骨疲労骨折に有効であったとのことでした。骨端症に対しての体外衝撃波の適応では低出力では影響がないとのことでフライバーグ病や坐骨結節骨端症に有効であった例を提示されました。