防府整形外科フォーラム

7/7 防府整形外科フォーラムに参加しました。山口県立総合医療センター整形外科の吉田先生〜デノスマブを中心に〜が関節リウマチにおける骨粗鬆症の現況についてという講演をされました。関節リウマチは骨粗鬆症のリスク因子で半数が骨粗鬆症と言われています。関節リウマチの治療薬の進歩により活動性は上がりましたが骨折頻度は変わっていないとのことでした。関節リウマチ患者さんのデノスマブの骨粗鬆症治療効果についての報告でした。骨粗鬆症治療薬はデノスマブの使用率がが28パーセントで、デノスマブは骨密度変化は腰椎でも大腿骨近位部でも他の薬物治療より有意に改善し テリパラチドとの比較は腰椎では同等との結果でした。生物学的製剤併用群では大腿骨近位部ではより骨密度が上昇が期待できるという結果でした。

次いで弁護士の宗像先生の医療安全の観点から見たインフォームドコンセントと患者に対する説明という講演を拝聴しました。医療安全の中にインフォームドコンセントが含まれているそうです。医療行為にはリスクが伴うという医療の不確実性があります。医療安全は存在するリスクを適切に管理できることであり、医療リスクマネジメントという言葉に置き換えてもらってもいいそうです。患者さんに対する説明は医療機関が行う必要がありますが、医療従事者は内容を説明することを通じて患者さんがリスクを引き受けることをサポートする必要があります。説明の相手方は患者さん本人で、説明する事項は患者さんの身体状況、病状、実施しようとする医療行為の内容、当該医療行為があればその内容と利害得失、他に選択可能な医療行為があればその内容と利害得失、予後ということです。実際のインフォームドコンセントの内容の紹介で、1、病状 2、手術の目的と期待される効果、3、手術の具体例な方法、4、あらかじめ了承いただきたいことなど5、手術に伴う避けられない合併症及び不利益、6、代替可能な他の手術や治療 7、治療を行わない場合に予想される経過  8、個人情報の取り扱い  という具体例な同意書についても紹介されました。非常にわかりやすくクリアカットに説明していただきました。



 

この記事を書いた人

とよた整形外科クリニック 理事長

豊田 耕一郎

山口大学医学部、山口大学大学院卒業後山口大学医学部附属病院、国立浜田医療センター、小野田市立病院、山口大学医学部助教、講師を経て山口県立総合医療センターで脊椎手術、リハビリ部長を兼任後、2012年4月からとよた整形外科クリニックを開院。
専門性を生かした腰痛、肩こりの診断、ブロック治療、理学療法士による運動療法、手術適応の判断を迅速に行うことをモットーとし、骨粗鬆症、エコーによる診断、運動器全般の治療に取り組んでいます。