運動器の疼痛に対する薬物療法(インターネット講演会)

5/23佐賀大学医学部整形外科 園畑教授の運動器の疼痛に対する薬物療法というインターネット講演会を拝聴しました。

サプリメント、外用剤はエビデンスなし、ヒアルロン酸注射は海外では末期に使用するので推奨されていないそうです。内因性痛覚抑制機構には内因性オピオイド系と下降性痛覚抑制系があります。脊髄後角の第二層にノルアドレナリンはGABAやグリシンを抑制し、Aδ、C線維の興奮を抑制します。セロトニンは脊髄後角の第二層に65パーセント抑制します。卵巣摘出したラットでは脊髄後角のセロトニン受容体が減少します。下降性痛覚抑制系に作用する薬剤はノイロトロピン、リリカ、サインバルタ、トラマドールがあります。

サインバルタの著効例の提示や人工股関節置換術の術前鎮痛剤を内服しない率が57パーセントであり、処方についての説明不足、不十分な副作用対策、適切な薬剤選択ができていない、運動療法の重要性の説明と理解不足が原因だそうです。神経障害性疼痛に対する薬剤の効果を理解し、患者さんの痛みを上手に抑えて運動療法を導入することを最後のテイクホームメッセージとされました。


 

この記事を書いた人

とよた整形外科クリニック 理事長

豊田 耕一郎

山口大学医学部、山口大学大学院卒業後山口大学医学部附属病院、国立浜田医療センター、小野田市立病院、山口大学医学部助教、講師を経て山口県立総合医療センターで脊椎手術、リハビリ部長を兼任後、2012年4月からとよた整形外科クリニックを開院。
専門性を生かした腰痛、肩こりの診断、ブロック治療、理学療法士による運動療法、手術適応の判断を迅速に行うことをモットーとし、骨粗鬆症、エコーによる診断、運動器全般の治療に取り組んでいます。