第92回 コロナ禍での健康維持について

前々回コラムで健康的な食事・運動習慣は幸福感や満足度を高めると記載しましたが、コロナ禍でいかに健康維持のための食事や運動のモチベーションを保っていくか?ということも重要と思います。ドイツの論文で40才以上の中高年5000人にアンケートを行い、自分が感じている主観的な年齢を記載してもらい、その後のストレスなどを含めた健康度を3年間追跡調査した報告で、自分が実年齢より若いと感じている人は自覚的なストレスの程度と健康レベルとの間に関連が認められなかったという結果から、主観的年齢にはストレス緩衝効果が働いているといるという考察をしています。一方で主観的年齢と実年齢との解離が大きすぎるのは健康上のデメリットもあると警告しています。夜間のジャンクフードを我慢したり、加糖飲料や当分の多いお菓子、飽和脂肪酸の多いバターなどをやめてダイエットをすることは健康維持、長生きできるためだけでなく、自分の若さを保つ効果もあることを知って、(人に言われるのも非常に効果があると思いますが、自分自身がそう思い込むことも効果があります)それをモチベーションにしてコロナ禍を過ごしてみてはいかがでしょうか?

 

参考文献:

Wettstein M, et al. Psychol Aging. 2021 May; 36: 322-337.

この記事を書いた人

とよた整形外科クリニック 理事長

豊田 耕一郎

山口大学医学部、山口大学大学院卒業後山口大学医学部附属病院、国立浜田医療センター、小野田市立病院、山口大学医学部助教、講師を経て山口県立総合医療センターで脊椎手術、リハビリ部長を兼任後、2012年4月からとよた整形外科クリニックを開院。
専門性を生かした腰痛、肩こりの診断、ブロック治療、理学療法士による運動療法、手術適応の判断を迅速に行うことをモットーとし、骨粗鬆症、エコーによる診断、運動器全般の治療に取り組んでいます。