第23回日本骨粗鬆症学会・第39回日本骨代謝学会が10月8日~10日にWEB開催されました。またLIVE配信終了後、オンデマンド配信で10月11日~11月30日まで視聴できましたので、私は11月に入ってから特別講演やシンポジウムを中心に聴講しましたが、とても勉強になりました。骨粗鬆症は20歳代までに獲得する最大骨量が少ないことと、成人後の骨形成と骨吸収のインバランスによって骨量が減少することが原因で発症します。骨粗鬆症が原因で発症する骨折は脆弱性骨折と呼ばれ、軽微な外力(一般的には立った高さからの転倒)で骨折を生じます。骨折を起こすと、再度骨折を生じるリスクが2~4倍高くなります。また大腿骨近位部骨折の80%が転倒により発生し、大腿骨近位部骨折後1年後死亡率は9.1%、また寝たきり発症は42%となります。特に閉経後の女性では脆弱性骨折を16%に認め、大腿骨近位部骨折の50%はこの脆弱性骨折既往例で発生します。脆弱性骨折では椎体骨折が多いのですが、椎体骨折は、痛みのない無症状性骨折が6割以上をしめると言われています。最近、身長が低くなった。または背中が曲がったと感じる方は椎体骨折を生じている可能性があります。男性では70歳代、女性では閉経後の50歳代に骨密度が急激に低下しますので、気になる症状がある方は病院への受診をお勧めします。