診察室あるあるシリーズ??
今回はある日突然何も悪いことをしていないのに…
肩を動かそうとしたら イナズマ⚡様の激しい痛みが生ずる
肩関節石灰沈着症のお話です。
原因は肩の腱板にカルシウムが溜まってしまうためなんです。
このカルシウムはリン酸カルシウム結晶で
ただしこのカルシウムが溜まっただけでは痛みは出ないそうです。
ではなぜ?…
人のカルシウム代謝は腸から吸収され、骨を丈夫にするために使われますが
いらないカルシウムは尿から排泄され、常に体の中で一定量を保たれています。
しかし何らかの原因で排泄されずに体内に留まったカルシウムは血管を通って
関節などに溜まってしまいます。
そのカルシウムは最初はミルク状でそのうち歯磨き粉のペイスト状に変化するそうです。
ミルク状のカルシウムが何らかのタイミングで肩の滑液包に漏れ出し
体が異物と判断してしまうと途端に自己防衛反応が働き
そのカルシウムに攻撃をはじめ炎症をおこし
肩を動かすことも出来ない激烈な痛みになるそうです。
治療はステロイドの注射をエコーをみながら肩に注射します。
注射をした次の日にはあんなに痛かった痛みが
魔法のように消え、注射をしてくれた先生が
神様の様にみえるみたいです!?(注:諸説あり)
その他にもピンポイントに衝撃波を当てたり
痛み止めの飲み薬や湿布薬を処方しますが
痛み止めの飲み薬に併用して出す胃薬のH2ブロッカーが
カルシウム代謝に関係する副甲状腺に働き
なぜか石灰を消滅してくれるそうです。
(胃薬なら何でもいいわけではありません)
人間の体って本当に不思議ですねぇ。
看護師・診療放射線技師部門でした。