第129回山口県臨床整形外科講演会その2ー人工膝関節の最先端の取り組みーロボット手術とキネマティックアライメント法ーの講演を拝聴

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次いで山口県立総合医療センター整形外科人工関節センター長の椎木先生の人工膝関節の最先端の取り組みーロボット手術とキネマティックアライメント法ーの講演を拝聴しました。椎木先生とは一緒に手術をした仲で今でも親しくして頂けいていますので楽しみに拝聴しました。最初に骨切り前にマーキングして骨切り後のバランスもシミュレーションをしてからロボットアームで骨切りを行う動画を紹介され圧倒されました。人工膝関節は日本で最も行われている手術で山口県立総合医療センターでは人工股関節手術と合わせて日本でトップクラスの手術数です。先生の施設で行われるキネマティクアライメント法は2009年に提唱された3つの運動軸理論で、以前から言われている解剖学的アライメント、機能的アライメント法では軟部組織の剥離が大きい欠点を補う利点もあります。下肢をまっすぐ牽引して靭帯バランスに考慮して骨切りを行い開脚立位で脛骨関節面に平行になるように行うとのことで今後こちらの考え方が主流になるでしょうとのことでした。次いでロボティックアーム手術支援システムを用いた人工膝関節手術について紹介されました。バーチャルリアリティ(仮想現実)を応用した手術も今後導入される予定とのことでした。ロボット手術の長所としては正確な骨切りができ膝のバランス、骨切り量などが数値化できますが実際には術者の経験は必要とのことでした。手術時間も片側で平均80分、両側で200分ぐらいとのことで骨切りの誤差がほとんどないとのことでした。新しいことに挑戦される椎木先生のバイタリティーにも感銘しました。

この記事を書いた人

とよた整形外科クリニック 理事長

豊田 耕一郎

山口大学医学部、山口大学大学院卒業後山口大学医学部附属病院、国立浜田医療センター、小野田市立病院、山口大学医学部助教、講師を経て山口県立総合医療センターで脊椎手術、リハビリ部長を兼任後、2012年4月からとよた整形外科クリニックを開院。
専門性を生かした腰痛、肩こりの診断、ブロック治療、理学療法士による運動療法、手術適応の判断を迅速に行うことをモットーとし、骨粗鬆症、エコーによる診断、運動器全般の治療に取り組んでいます。