山口骨粗鬆症研究会が山口市でありました。当院のスタッフも受付、看護師、理学療法士も合わせて10人以上来てくれました。私が当院における骨粗鬆症治療後顎骨壊死の検討とその対策についてについてミニレクチャーしました。当院で骨粗鬆症治療で骨吸収抑制剤を使用した1500例中5例に額骨壊死を認めましたのでその検討と対策について述べました。特別講演は熊本から朝日野総合病院整形外科の辻王成先生の「連携で連鎖骨折を絶つ!~治療薬の選択を含めて~」の講演を拝聴しました。2016年に骨粗鬆症リエゾンサービスチームを立ち上げて2017年3月に骨粗鬆症地域連携パスの運用を開始され、2017年から骨粗鬆症専門外来を立ち上げられました。二次予防対策からみえた骨折連鎖について話されました。問診で椎体骨折がないと答えた中ですでに骨折していた人が多く、多発脊椎骨折が多いことを認識する必要があるそうです。骨粗鬆症検査としてX線、DEXA、採血を行い、骨粗鬆症の目的が骨折の予防であることを患者さんによく説明することを強調されました。25水酸化VitDの検査から正常は少ないそうでした。治療の流れとして65歳未満ではビタミンDとSERM、既存骨折が二個以上ではテリパラチドやデノスマブを勧めるそうです。デノスマブの効果は骨吸収マーカーが早期に下がり、大腿骨頚部の骨密度上昇効果が認められたそうです。デノスマブ投与後の骨折発生は非椎体骨折は1パーセント以下で脊椎骨折で非外傷性骨折は減少していたそうです。既存骨折がない症例は新規骨折は少ないそうです。デノスマブとテリパラチドの治療成績の比較についてはデノスマブは強い骨吸収抑制剤を有しますが重症骨粗鬆症患者にはテリパラチドが第一選択とのことでした。デノスマブの副作用対策としてカルシウムは1週目で低下しますが症状はなかったとのことでした。ビスフォスフォネート製剤の中断は通院回数が少ない方が多いので新規で始めた場合が89パーセントでしたが入院の方は認知症があり歩行障害のある場合は通院していない率が高いそうですので骨粗鬆症リエゾンチームで対応していかれる予定だそうです。デノスマブ中断後のオーバーシュート例が5例ありリエゾンチームでの電話でのフォローなどが必要とのことでした。理学療法士に高齢者医療のリハビリテーションとして対応してほしいとも言われていました。