運動器疼痛マネジメントセミナー

1/24にホテルニュータナカで運動器疼痛マネジメントセミナーがあり参加しました。岡山大学整形外科の鉄永倫子先生の「運動器慢性痛の患者と向き合う痛み治療アプローチ」の講演を拝聴しました。座長の岸本先生が恒例の講師紹介をされました。講師の先生も非常に感動されていました。日本の運動器慢性疼痛患者は人口の15.4パーセントで首肩腰の患者が多いです。運動器慢性疼痛患者の特徴は自分で病気探しをする、ペーシングできない(発達障害)、痛みに転化、0か100の理論という特徴があります。慢性腰痛の77パーセントが抑うつ傾向があったそうです。痛みが遷延化すると痛みの悪循環に陥りやすいので急性期には薬物療法、手術療法、運動療法を行うことでよくなりやすいですが、慢性期にはセロトニン、ノルアドレナリンが減少しているのでデュロキセチンは全体的健康感や心の健康感を改善するそうです。デュロキセチンは1週間おきに漸増します。抑うつ傾向のありなしで改善度に差はなく、副作用としては眠気が19パーセント、嘔気は16パーセントありました。嘔気対策でガスモチンを処方されることが多いそうです。デュロキセチンを慢性腰痛の脊椎変性疾患や変形性膝関節症の慢性期に有効ですが患者さんのできることが増えて痛みの訴えが減ったそうです。disease centricとdrug centricという考え方も教えていただきました。適切な量をしっかり投与して運動療法を行うということを強調されました。又患者さんに対する対応の仕方を具体的な説明の方法もデモンストレーションされました。

この記事を書いた人

とよた整形外科クリニック 理事長

豊田 耕一郎

山口大学医学部、山口大学大学院卒業後山口大学医学部附属病院、国立浜田医療センター、小野田市立病院、山口大学医学部助教、講師を経て山口県立総合医療センターで脊椎手術、リハビリ部長を兼任後、2012年4月からとよた整形外科クリニックを開院。
専門性を生かした腰痛、肩こりの診断、ブロック治療、理学療法士による運動療法、手術適応の判断を迅速に行うことをモットーとし、骨粗鬆症、エコーによる診断、運動器全般の治療に取り組んでいます。