五感でわかる名画鑑賞術

ようやく朝晩が過ごしやすくなった今日この頃。

私は秋の夜長を本を読んで過ごしています。

最近面白かったのは「五感でわかる名画鑑賞術」

タモリ倶楽部や世界一受けたい授業、日曜美術館などでお見かけしたことのある西岡文彦さんの本です。バラエティ番組に出る方だけあって、お話しはざっくばらんでたとえも分かりやすく、楽しく読みました。

↑こんな感じの人

美術館を訪れた際に美術館内外で五感を使って美術鑑賞を楽しむ指南書みたいな本です。

美術館のカフェで飲んだエスプレッソとその時見た絵の印象がいっしょに思い出されるからカフェには極力立ち寄るようにとか、彫刻は見る角度によって艶かしさや慈悲深い視線など全く違った印象を持つので図録ではわからない自分のベストな角度を探す楽しみなど写真を交えて解説してあるので、なかなか説得力があります。

また作品を描く技法についての解説もあり、「最後の審判」のように壁に描くフレスコ画は生の漆喰(フレッシュ=イタリア語でフレスコ)の上に乾ききらないうちに絵の具をのせていき、乾いたらコーティングされたみたいになって剥がれにくくなる。けれども乾ききらないうちに絵を描くことができる範囲しか漆喰を塗れないので、素早い作業が必要で高い技術を求められる。また漆喰の境界線が目立たないように人物の輪郭などを境界にしてあるなど絵を描く人目線での解説が今まで気にもとめていなかったところへ目を向けさせてくれ、なるほどーと新しい鑑賞術を授けてくれました。

また展覧会ごとに自分の好きな作品No.1を選んでその絵葉書を買い、集めて行くことで時間をかけて自分だけのお気に入りの図録を作る楽しみなども書かれていました。

もっと早くに読んでたら美術鑑賞の仕方も変わっただろうにと今さらながら思いました。

なんだか美術館に行きたくなってきました。

この本の視点でもうすぐ会期が終わるジブリ展に行ってみようと思います。

受付原田でした。