第三会山口中央骨粗鬆症OLS研究会

3/3第3回山口中央骨粗鬆症OLS研究会がホテルニュータナカで開催されました。一般講演でかわかみ小児科整形外科クリニックの奥先生がお話しされテリパラチドパスを作成した後の内服継続率が低いことにスタッフが取り組まれ継続率が86パーセントに上がったと素晴らしい成果を報告されました。次いで骨粗鬆症に対する病診連携とリエゾンサービスの作り方について聖隷佐倉市民病院整形外科の小谷俊明先生の講演を拝聴しました。国立佐倉病院から聖隷佐倉病院に変わってから先生が赴任され骨粗鬆症椎体骨折の多職種連携に取り組まれていかれた取り組まれた経験をお話しされました。椎体骨折の患者さんにBKPという椎体形成術を取り入れられたそうですが骨粗鬆症治療を継続できないと再骨折を繰り返すことが問題となります。BKP後の骨粗鬆症継続に地域連携パスによる開業医との連携をするために病院全体で多職種ミーティングを開始すると同時にかかりつけ医を訪問して研究会に参加してもらい5ヶ月でパスが完成したそうです。フォルテオ、テリボンを使用すると治療継続率が上がりましたが、患者数が増えすぎたので初診完全紹介制にして逆紹介を増やすことで効率がよくなったそうです。その後骨粗鬆症リエゾンサービスを多職種で取り組みを開始して理学療法士をリーダーとなり市民公開講座を開いたり、見学に行き、会議もマネージャー主体で進行することで活性化するそうです。最後に同病院のリエゾンサービス委員長の加藤木先生が講演されました。骨粗鬆症一次予防に佐倉市の協力を取り付けて聖隷佐倉病院、開業医との連携を始められたそうです。特に内科の先生に逆紹介することで協力を取り付けたそうです。検診センターなどの骨粗鬆症検診でスクリーニングされた患者さんは聖隷佐倉病院で精査した後、逆紹介したり、リエゾン看護師外来を開いて骨粗鬆症、骨折予防のことを説明して定期的に受診してもらうことで一次予防をされています。骨粗鬆症マネージャーの実態は千葉県77人、山口県21人だそうです。骨折の二次予防として大腿骨近位部骨折でデノスマブを開始した例を紹介され、腎臓内科の先生をチームに入ってもらったそうです。CKD教育入院患者さんの横断調査で日本骨粗鬆症学会の奨励賞を受賞されたり、骨粗鬆症マネージャー同士の勉強会を開催される取り組みを紹介されました。多職種連携のための協議会を設立されたり、千葉大学の先生を巻き込んで多施設共同研究にも取り組まれている取り組みを報告されました。





 

この記事を書いた人

とよた整形外科クリニック 理事長

豊田 耕一郎

山口大学医学部、山口大学大学院卒業後山口大学医学部附属病院、国立浜田医療センター、小野田市立病院、山口大学医学部助教、講師を経て山口県立総合医療センターで脊椎手術、リハビリ部長を兼任後、2012年4月からとよた整形外科クリニックを開院。
専門性を生かした腰痛、肩こりの診断、ブロック治療、理学療法士による運動療法、手術適応の判断を迅速に行うことをモットーとし、骨粗鬆症、エコーによる診断、運動器全般の治療に取り組んでいます。