貧乏ゆすりの効果について RCCラジオ出演から

広島のRCCラジオ番組「おひるーな」のアナウンサーの方から電話があり貧乏ゆすりの効果について電話取材させて欲しいとのことで出演することになり2/3 13;30から電話取材を受けましたので2/8放送が終わりましたのでその内容を紹介します

「貧乏ゆすり」とは、広辞苑(第六版)によると、「すわっている時、膝を絶えずこまかくゆすること」。とされ、江戸時代中頃から見られる語で、貧乏な人が寒さや飢えからブルブルと小刻みに震えているところから命名された説が有力のようです。海外ではfidgeting(フィジッティング)かjiggling(ジグリング)という言葉で表現されており、貧乏ゆすり様運動とも訳されています。1970年代にSalterらがCPMContinuous Passive Motion:持続的他動運動)の概念を提唱し、CPMにより軟骨再生が認められたことを報告して、骨折の手術術後に関節の早期運動や拘縮予防などに比較的大きな器械を使用されていました。(現在も使用されています)

海外では英国に住む3778歳の女性12,778人の座っている時間、貧乏揺すりの頻度と死亡リスクとの関係を調べた結果、1日の座っている時間が56時間の場合、貧乏揺すりの頻度が高いグループで死亡リスクが下がっていたという報告があり貧乏ゆすりが見直されるきっかけになったそうです。

日本では柳川リハビリテーション病院の先生が変形性股関節症でジグリングを行い有効な症例を報告されたとことで注目され研究会などで症例を重ねていますがまだエビデンスは確立されていませんが、安全な方法ですのでトライしていただければと思います。貧乏ゆすりではなく健康ゆすりという呼び名を提唱されています。(自動ジグリング器械も開発販売されていますー少々高いです…)

ジグリングのやり方は椅子に座って股関節、膝を約90度屈曲位で踵を2cm上げ下ろしを1分間におよそ200~250回の頻度で行います。一日トータル30分行うことが推奨されています。ジグリングの効果には他にもふくらはぎの筋肉を動かすことで血栓予防(エコノミークラス症候群の予防)にもなり、皮膚温が上昇するなど冷えやむくみの改善効果も期待できます。

この記事を書いた人

とよた整形外科クリニック 理事長

豊田 耕一郎

山口大学医学部、山口大学大学院卒業後山口大学医学部附属病院、国立浜田医療センター、小野田市立病院、山口大学医学部助教、講師を経て山口県立総合医療センターで脊椎手術、リハビリ部長を兼任後、2012年4月からとよた整形外科クリニックを開院。
専門性を生かした腰痛、肩こりの診断、ブロック治療、理学療法士による運動療法、手術適応の判断を迅速に行うことをモットーとし、骨粗鬆症、エコーによる診断、運動器全般の治療に取り組んでいます。